[裏S区]
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自転車置き場を見下ろしてた俺が前を向きなおした瞬間に螺旋階段が見えた。
そこに下に落ちてる人間と全く同じ服で髪型(これは微妙で下にあるモノとは異なってたようにも見える)
のニンゲンが立ってた。これは多分見てはダメだったんだと思う。螺旋階段を下に向かってゆっくり
降りていってたんだ。すごくゆっくり下を向いたまま歩いてた。下にあるものと瓜二つのニンゲンが。
ここでエレベーターが来たときの合図の「ピン」って音が鳴ったんでビク!ってなり後ろを振り向いた。
そこにも居た。と思う。多分いたんだろう。でも良く覚えてない。今考えれば居たのか?と思うけど
そのときは居たって思ってた。「ピン」の音に振り返った瞬間にどーんって再度聞こえたんだ。
でも、今度の音はエレベーターの中から。どーん、どーーん。どーーーん。どーーーーん。って
俺はもう、発狂状態になってそれから倒れたみたい。

直ぐに病院に連れて行かれた。見たもの、聞いたものを全て忘れるように医者から言われて薬も
処方されてそれから1週間は「うぅぅ」ってうめき声を上げてるしかなかった。
1週間過ぎぐらいにはだいぶ良くなっていたのだけど、本当は親や医者をだましてた。
よくなってなんか無かった。寧ろそのときからその「どーん」って音はずっと着いて廻ってた。

その後、学校に行こうと思いだしたころにAの存在を思い出した。俺がそもそもこんな事になったのも
Aのせいだ。あいつがあんなイジメをしなければこんな目にもあわなかった。アイツは俺をこんな目に
あわせる様な奴だから居なくなればいい。そうだ、この「どーん」って言う音に頼もう。
って本気で思ってた。俺は本当におかしくなってたんだと思う。本気でこの「音」の主に
お願いしてた。

次の日に学校に行った俺は昼休みの時に早退したいと先生に言った。先生も俺がどういう状況かを
知っていたからすぐにOKを出してくれた。Aはその日も休みだった。
その帰りがけに先日部落差別を無くそうという話を学校でしていた(講義で)、おじさんに出会った。
そのおじさんはAのおじさんに当たり何度か会って話したこともあった。だけどそのおじさんが俺を見た後からの様子や態度が
明らかにおかしい。最初見かけた時は普通に挨拶をしたのにその後俺を二度見のような感じで見て
いきなり、「あ〜・・・。」とかいいだした。俺は「こいつもAに何か言われてんのか?」って感じで
被害妄想を爆発させて怪訝な態度のこのおじさんを無視して横切っろうとしてた。
そのときに急にそのおじさんがブツブツブツブツお経のようなものを唱え始めた。
俺はぎょっ?!っとして、そのおじさんを見返した。いきなり、あって「あ〜」などと
わけのわからない態度を取り出し、それだけならまだしも俺にお経を唱えたのだ。

生まれて初めて自分から人をぶん殴った。言い訳がましいけど精神的におかしかったから殴る事の善悪は
全くなかった。ただ、苛々だけに身を任した感じ。いきなりでびっくりしたのかそのおじさんもうずくまって
「うぅ。。」って言ってたが無視して蹴りを入れてた。Aの親戚ってだけでも苛々してたのもあり、
「こら、お前らの家族は異常者のあつまりか?人を貶めるように生きてるのか??お前差別をどうの
こうの言ってたが自分がする分にはかまわんのか?あ〜??何とか言えや。こら!お前らは差別される
べき場所の生まれやけ、頭がおかしいんか?」って感じで
ずっと蹴り続けてた。でも、ここで再度予想外のことが起きた。
以下会話。

おじさん「ははははははははは」
俺 「!?なんか気持ち悪い。いきなり笑い始めやがって!」
おじさん「あははははは。お前か、お前やったんか。はははは」
俺 「??まじ意味分からん、なんがおかしいんか?」(未だ蹴り続けてたけどこの時は大分蹴りは弱くなってる。)
おじさん「ははは、やっと会えたわ。はははそりゃAも****やなー。ははは」(何を言ってるのか意味不明。)
俺 「は???お前ら家族で俺をイジメようてしよったんか?」(この辺りで怖くなって蹴らなくなってた)
おじさん「おい、お前がどうしようが勝手やけど、○○←俺の名前 が痛がるぞ。アニキは許しても俺は見逃さんぞ」
俺 「は???マジでお前んとこはキチ○イの集団なんか?おい?」
おじさん「○○君、ちょっと黙っとき。おじさんが良いって言うまで黙っとき」
俺 「いや、意味わから・」「どーーーーーん」

いきなり耳元で音が鳴った。俺はビクってして振り返ったら目の前にのっぺりとした
細面の顔が血だらけのままピクピクしながら笑ってた。俺はまた、発狂した。
この顔の見え方がかなり異常で、通常ニンゲンの顔を見る場合に半分だけ見えるって
言うのはありえない。でもこの目の前の顔は、例えていうとテレビ画面の中にある顔
がカメラのせいで半分だけ途切れてて半分は見えてる状態。
その瞬間にAのおじさんに力いっぱい殴られて、意識を失った。

続く