[窓]
当時、俺は同じ大学に通っていた京介という、友人がいました。
京介には彼女がいませんでした。どちらかというと勉強をあまりせず、かといって遊びもせず、
単に無駄な毎日を過ごしている人物でした。(俺も人のこと言えないですが…。

京介は大学より少し離れた、築何十年もの安いアパートの1階に住んでいて、
俺は、よくそこへ泊まり込んで酒を一緒に飲んだりしたものでした。
しかし、そこはとんでもなく薄気味悪いアパートでした。
染みだらけの壁は、ともかく、何よりも墓地に面してる窓が気持ち悪かったのです。


ある晩その部屋で、酒が入った勢いなのか、話の流れで俺は京介に冗談まじりに
「もしお前が1週間オナニーせんと過ごせたら今度の家賃払ったる」と言ってしまったのです。
京介はすぐに話しに乗りました。
「ええで!(1週間よりも)2週間キッチリ我慢したるわ。そん代わり先月払ってない家賃もたのむで!」
(…げっ!おまえ、まだ払ってなかったんか!いくらボロアパートでも2ヶ月の家賃はきつい。

俺「お前、本気で言うてんの?」
京介 「マジやで、万が一、出てもうたら、お前に2ヶ月分の家賃代払ったるわ」

京介は、タナボタというような感じでニヤリと笑いました。(むかっ!
俺「ほんなら、今日から2週間お前と一緒に住んで監視すんで!ええんか?」
京介 「べつにええよ。しょんべんも一緒について来たらええやん。」

あかん、地雷踏んだか?乗せられたんか?ちくしょー!
絶対、コイツにだけはオナニーさせん!俺はそう決めました。

続く