[犬の死骸]
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何か茶色に汚れた感じのその塊からふいにどっと異様な匂いが押し寄せてきて
反射的にげっとしゃがみ込むと、そこにでかい・・・スコップ。
小学生の私の頭でも、柄まで赤黒い斑点が飛び、先が汚れたスコップと
仔犬の無残な屍骸とが結びつきました。
急に恐ろしくなって慌てて廊下に飛び出、階段の方に走る私の耳に
「ガリガリガシャン!!」
階下より金属音が聞こえたのです。
しゃがみ込んで窓から外を覗き込むと、見えました。
パーカーっぽいのを着、頭を短く刈り込んだ男がスーパーのビニール袋らしきものをぶら下げて侵入口の所に立っているのが。
その顔がこちらに向けられ、目が合った気がした。
心臓バクバクで「殺される殺される」と足をがくがくさせながら、はいずって廊下を戻りました。
奥の部屋に戻りカーテンと窓をあけ、覗き込むと2階の屋根の部分が出っ張っており、エアコンの室外機が置かれています。迷わず室外機に上へ飛び降りました。
(今考えると狭いひさしの部分でよく飛べたもんだと思います)
そこから倉庫の屋根の端に乗り移り一目散に逃げ帰ったんです。
はたして債権者のヤ組の居座りだったのか?その後不気味なことに近隣の道端に焼き焦がされた犬の屍骸とか口に棒を突っ込まれた状態の犬の屍骸が放置されていました。
まるで自分への警告のようで死ぬ程ビビリまくったのを覚えています。
長くて失礼しました。