[閉ざされた一家]
前頁

そこでみた光景は報告書によると…
■追跡した犯人が寝ていた。
■犯人と同じ様相の生き物が2体そこにいた。
■すぐ側に大きな箱があり、無造作に赤子と思しき腐った遺体が入れられていた。

とかく捜査員は無線で応援を呼び、主を確保、そして、3体の化け物がいる部屋を閉ざし応援を待った。

応援が到着後、主を連行し取り調べを行った。調書からのポイントは以下のようなものだった。

■あの三体は自分の家族であり母親、姉、娘であること。
■捨てられていた赤子も自分の子であること。
■○○○○家では近親相姦を繰り返し、あのような化け物(奇形)が生まれてくることが多いこと。
■先祖から家が集落に呪われており、集落の外にでることも集落の外から嫁を迎えることもできなかったことが近親相姦の始まりであったこと。
■昔は奇形の赤子を埋めて棄てていたが、今では簡単に捨てられない為に保管せざるを得なかったこと。
■昔は勝手に自分の実子にしても疑われなかったが、今では制度が整いすぎて、養子として実子を育てるしかなかったこと。

等々…信じられない話しが調書にまとめられた。

さて、彼らはその後どうなったかといえば…

主は勾留中に自殺。他の三体の家族たちは秘密裏に処理されたという。

主とのやり取りの中…

『失礼ですが、あのようなモノと性交をもつことに嫌悪感はないのですか?』

という警察官の問いに

『えぇ…家族ですから…』

と微笑む主の顔が印象的だったとそれを知る当事の警官は語ったという。
追記…

ちなみに、調書でなぜにあの奇形が男性のキンタマを刺すのか?ということについては解らずじまいだったそうです。そして、千枚通しが8本もある家も変だし…とかく奇妙な話しでした。

尚、何故に彼らが外に出るかといえば、主が夜くらいは外の空気を吸わせてあげたいって気持ちだったとのことです。


次の話

Part159menu
top