[イサルキ]

先程ようやく膨大な洒落怖過去ログをざっと目を通せたのですが、
今回書きたいのは、その中の「ヒサルキ」の話のことについてです。

 自分は消防時代兵庫県に住んでいました。
 その頃通っていた学校ではウサギ4匹とセキセイインコ3匹を
飼っておりました。両方とも後者の隣に設置した、「飼育小屋」に
飼われており、当時2年生だった我々は休み時間になる毎に押しかけました。たまに鉢合わせた上級生の飼育係が小屋で彼らに餌をやる姿を見て、上級生になって自分たちがその行為を行うことを夢想し憧れとりました。

 その後ウサギは学校開校以来初の子どもをもうけ、4匹の新しい仲間が
加わった飼育小屋の周辺は、まさに昭和の街頭テレビに群がる群衆の如き
盛況でした。

 その数日後、突然インコが謎の死を遂げました。
 本当の原因を先生方が教えてくれなかったため、自分からは
その発見の状態が不審であったということ以外は確信を持って
伝えられません。彼らの発見された状態なのですが、飼育小屋の中央に
高めの枯れ木がインコ用に植わっておりまして、その丸裸の木に
一匹ずつ首にナイロンの紐を巻きつけゆらゆらゆれている状態だったのです。
丁度人間が首吊りした状態と酷似しておりました。

 ここから明らかに人為的なものであると考えられるのですが、
それにしてもおかしいのが犯人の飼育小屋に入った形跡がまったく
ないことでした。かかっていた2つの南京錠や網にはどこにも
傷つけられた場所はありませんでしたし、周辺の地面は硬く、さらに
この飼育小屋はウサギ逃走対策のために底のコンクリートは
地面に深く埋まっていたので穴を掘って入れたはずは無く、
実際掘った跡等まったく確認できませんでした(ここまで確認したところで、
我々は教員らに教室へ強制送還されてしまいました)。
鍵は職員室で常に教頭先生が保管されているため、当然外部の者が
手に入れることは出来ません。

 その時横で「それを誰がやったか朝見ていた」と発言した子がいたのです。
皆は彼にいっせいに注目し、教員らはその子を職員室へ連れてきました。
我々が自習の間、恐らく話を聞いていたのだと思います。
ただ、彼は同じ学年だったのですがあまり教員生徒から信頼厚いという
訳でなかったため、「あいつんち貧乏やから(理由になっていないw)
あれは注目浴びたかっただけだ」と周囲は興奮して話しておりました。
自分は貧乏だからというより、単に彼が少し知恵遅れの気があると
感じていたため、この意見は自分の中で無効としておりました。
そして、担任の教員は教室に入るなり、今回の事件は
「偶然飛んでいるインコが首に紐を引っ掛けてしまったため死んでしまった」
というワクテカしていた我々にハァ?と思わせる超理論を平気でぶちまけ、
事件は強制的に収束へと向かうかに思えました。

続く