[妹は強し]

俺の妹は霊感が強い。
とゆうかそうゆう家系らしい。
俺もわりと強い。妹強い。両親とも弱く母方のばあさんとばあさんのおとうとのじいさん強い。
高校の時の話。
その時うちには近所の人から預かっていた日本刀があった。
あとで年寄りから聞いた話なんだけどその日本刀は曰く付きで近隣の住人にはナントカ包丁と呼ばれているらしい。
夏休みのある日俺は友達と肝試しを行った。
場所は一家失踪の家。地元で有名な場所だ。
新しく家を建てるために業者が解体中に事故が相次いだ。
だから半壊状態のまま山の中にぽつんと取り残されている。
友達との待ち合わせ場所に向かうと、先に友達は来ていた。
ちなみに昼間。
失踪の家の辺りには夜はバスが出ていないから昼間に行くか夜明かしをするかしかない。後者は嫌。
バスに乗って問題の物件まで行くと昼間だとゆうのにその近辺だけ暗い。
おー雰囲気あるねー
そんなことを言いながら家に入ると、独特の冷気が漂っていた。夏だとゆうのに俺は鳥肌が立った。
あー、参ったな。
家具が置きっぱなしのリビング。食器棚の中に違和感を感じた。
カーテンが閉められていて昼間でも薄暗い。
食器棚の中の誰かと目があった気がして、俺は慌てて目をそらした

霊が出るとゆう子供部屋をまわり、朽ちた寝室をまわり、引き返す。
特に何事もなく、またリビングへ戻る。
記念写真を撮り、あっけなかったなーと言いつつ玄関から外に出る。
なぜか右の掌だけが汗ばんでいた。
家に帰ると中学生の妹がベランダで日焼けをしていた。
ご近所さんの目を気にしろよと言いつつ洗濯物を取り込み、一服しようと手すりにもたれ掛かると妹が吸っていた煙草を指先で弾いた。
煙草は俺の顔の横をかすめ、ポスッと弾かれて足下落ちた。
あぶねーなーなんなんだおまえ
と言うと、妹は唇の端をつり上げて笑い、手をヒラヒラと振った。
シッシッてか。犬じゃねーんだよ。
その日の夜晩飯を食っていると、後ろから視線を感じた。
妹が俺の後ろの食器棚からガチャガチャと皿を取り出すと気配は消えた。
夜中に便所に起き、またベッドに横たわっていると、コンコン、コンコン、と窓を叩く音がする。
窓の外はベランダ。ふとベランダを見ようと体を起こすとドカドカとベランダを歩く音が聞こえ、ウザッテーんだよ!と妹の声がした。
びっくりして窓を見ると妹が何もない空間に向けて蹴りを打ったところだった。
何してんの?
俺が言うと妹は不機嫌そうに言った。
お兄ちゃんガキ連れてきてるよ。

続く