[のろり]

小学校のときに友達の間ではやったあそびで
のろり ってのがあった。
なんで、はやったのかは知らないけれど…
良くある バリアごっこ や えんがっちょ みたいなもので
汚いものを触った人に対して身を守るしぐさをするあそび。
ただ バリアごっこ とちがうのは
のろり といいながら両手の指と指を組み合わせて自分の胸に持ってくるところ
指の組み合わせには、数パターンあり、状況によってつかいわける。
そのパターンのなかで特に印象深くおぼえているのが 
むらがえし というもので、
汚いものを触った人間が、その触ったという行為を
そのとき のろり をしているものにうつすことができる…。
とにかく、やたらルールが複雑で面倒なあそびだった。

この話は、その のろり が
自分たちの間で廃れだしたころに良く聞いた話なのだが
この、のろり というあそびは基本的に、
誰が自由にルールを設定して変化させてもかまわない遊びで…
重要なのは、最後に のろい をかけられたまま遊びを終えてはいけないということ… 
のろい はまわし続けねばならないという…。

しかし、この話が広まるまで、
だれもこのあそびが のろい のうつしあいだとは深く考えていなかったはず。

たとえば、バリアごっこ の類と見せかけて、
本当は最初に誰かが、本気で のろい をうつしていたとしたら…
そのうつした本人が本当のルールを誰にもおしえずにひろめたとしたら…

あのころ、さいごに のろい がかけられていたのは誰なんだろう。
のろい をかけられたまま遊びを終えるとどうなるのだろう。


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