[おはらい]
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テンションが冷めないウチに俺、C、Dで「もっといこーぜwww」と先にガンガン行くことに。
すると、何かちっさいくぼみのようなモノがあった。例えるなら貝塚のようなもの。
その中には木の破片みたいなもんが入っていた。
もしかして………皆何か感じたのか誰も手に取って調べようとしない。
俺もあいつらと残ってたほうがよかったかも…とちょっと後悔しだしたそのとき、木々の奥で何か光った気がした。
いや、光というよりは白いモノ。アレだけ暗い中ぼわっとした感じで浮かんで見えた。
「おい…」と他の連中も気づいていたみたいで、俺が泣きそうな声で「そろそろ戻るか…」と切り出した。
そして、ゆらっとまたソレが表れて揺れた。

段々近づいている気がする…
そこで逃げればよかったものの、なかなか動き出すことが出来ずソレを見入ってしまっていた。
ゆらっゆらっと段々と近づいて来ているソレは何か分かった時、俺はもう駄目かと思った。

それは顔だった。男とも女とも分からない顔。ただ長い髪もうっすら確認できたので恐らく女だろう。
その表情も笑っているような泣いているような怒っているような…
むしろ全ての感情とも取れる顔でゆっくり…そして確実に迫ってきていた。

本当に恐怖で声が出ない。それでも何とか腹の底から叫び出そうとしたその時……

「タアアアアアァァァ!!!!!!」と間近でとてつもなく甲高い叫び声が聞こえた。
Cだった。Cはそう叫ぶと、鉄パイプを高々と挙げあろうことか全力疾走でその顔に突っ込んでいった。

「タアアアアァァァ!!!!!!!」とその顔を木っ端微塵にするか如くパイプを何度も何度も打ちつけている。
もうこっちはどうしたらいいのか分からない。

Dは俺に「行くぞ!」と迫ってきた。正直俺もDもCは何かに憑かれたんじゃ…と思い逃げ出すことに。
何とかA、Bの元に辿り着いた。
A、BもCの声が聞こえ、更に全力で駆けてきた俺達に混乱していた。
もう俺とDもどう説明したらいいのか分からない。
ただ「Cはもう駄目かもしれん…」と声を絞り出すと、後ろからぜいぜい息が切れたCが駆けてきた。
「お前らが行くもんで暗くて分からんかったわ!」とCはライトを持っていたDにちょっと切れていた。

「いや…お前がおかしくなったのかと…」と俺が言うと、Cは「そんなわけあるか!ただあいつを払おうと思っただけじゃ!」と。

ことの顛末をA、Bに話すと、Bは「それやばいんじゃ…」と言ったが、Cは「いや、もう逃げるように消えたぞwwww」と余裕綽綽だった。
どっちにしても怖いことには変わり無いのでそそくさと山を降りることにした。


あれから数日…いや、何年たっても特に何も起こらず暮らせていますw
特にCは相変わらず元気で、なかなか幸せな生活を送っている。

今はもうその場所から皆チリジリになってしまったが、集まって飲むことは結構あるので機会があればまたあそこに行ってみようかな…
正直なところあそこが何だったのかもよく分からないし、あのくぼみもよく分からないままなわけだし…


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