[おはらい]

数年前、俺が大学時代の話。
当時まだまだ遊び盛りで、友人数人と車で心霊スポット巡りを楽しんでいた。

そんなある日、そろそろ夏休みも終えそうな時期で、ほんのりと肌寒い時期だった。
唐突に友人Aが、ある心霊スポットに行きたいと言ってきた。

それはとある山で、地元の人しか知らないようなマイナーな場所だったが自殺が起きただの
夜に近づくと連れてきてしまうだのと中々やばげな場所。

勿論反対する者も無く、俺、友人A、B、C、Dの五人で行くことに。

アパートから車で30分、俺、B、C、Dの四人でその場所に向かった。
(Aはその地元の人間で実家通い)

Aが指定した場所に着くと、すでにAの姿が。
地元のスーパーの駐車場にちょっと止めさせてもらってその山へは徒歩で向かうこととなった。

そこから歩いて数分。細い農道の先にその山の入り口は見えた。

そしてこの中で唯一自称霊感が有ると言っていたBが「何か山が暗いものに覆われていてよく見えない…」
もちろん俺から見たらそんなことは無い。少しばかりであるが、月明かりも手伝って上のほうの木々程度なら
見えるくらいだ。
こいつ目悪かったっけ?と思いながら山に入ることに…

またまた山に入る前に、Cが鉄パイプ(水道管?)のようなものを見つけ、用心の為にと持って行くことになった。
ちなみにCは昔から古武道だか古武術だか習っていると言っていたので、いざと言うときはコイツに任せて逃げようと思った。

山に入るとBが「何か気分が悪くなってきた…視界も暗くなってきた気が……」と。
それは同感で、俺も一際暗く感じた。というか木がかなり生茂っているので暗くて当然だった。
「誰でも同じだわwwww」と、皆からBがいじられているウチに、唐突に鳥居が出てきた。
定番だなあ…と思いつつも、俺は内心結構ちびりそうで、後ろを振り返っても何も見えない。
ライトの光しか便りに成らないくらい本当に漆黒の闇だった。

Bが「ここからはちょっと行けんわ…」と半べそを掻き出し、無理にでも連れてこうもんなら泣き出しかねないくらいだったので、
仕方なくB、Aを置いて先に行くことにした。Aも地元民の癖して相当びびっていた様子だった。

続く