[深夜の公園]

この話は私が高校の頃に体験した話です。
その頃私はランニングをすることが日課でした。
主に走る時間帯は車の往来が少なく、人も出歩かない深夜が中心でした。

そしてその日もいつもどおりのランニングコースをランニングしていました。
時間は夜の0時を回るか回らないかの時間だと思います
その日は走っている途中で猛烈に便意が襲ってきたので
どっかトイレないかなと思うんですが、
深夜なので開いている店もなく、コンビニも近くになく
仕方ないのであと300メートルくらい走ったら
いつも脇を通る森林公園の公衆トイレで用を足そうと思いました。

その森林公園は夜でもそれなりに車が走る幹線道路沿いにあるんですが
いざ公園に入るとまるで一瞬で別世界に来たかのような完全なる静寂の世界でした。
ランニングで火照った体もすぐに冷め、あまりもの静けさに五感が次第に鋭くなってゆくのを覚えています。
その頃はあまり幽霊の類は信じてなかったので、恐怖心っていうのはそのときはあまり感じなかったですけど
まぁあまり長くいたいところではないので、トイレでさっさと用を足してここを出るかと思ってました。

道路からトイレの距離はそれほど遠くなく
20段くらいの階段を上るとテニスコート位の小さいスペースがあり、
そこにはブランコやうんていなどの遊具施設があり
さらにその先に10段くらいの階段があり
その階段を上ると今度はかなり広いスペースが目の前に広がります
そのスペースにはサクラが植えてあって、3月、4月には沢山の人が花見にやってくる所です
ただそのサクラの広場にたった一本だけ樹齢200年の30m位の高さのイチョウの木が、
広場の中心に、圧倒的な存在感でそびえたっています
私が行こうとしているトイレはサクラの広場に向かう階段を上ったらすぐ右手にあります
続く