[ぽっくり]

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夜中、暑苦しくて目が覚めた。が、身体が動かない。金縛り。
ふと、気配を感じ窓を見ると白い顔をした女が自分を覗き込んでる。
うわー・・・っと思ったけど、身体が動かないから逃げれない。
そうすると、その女の顔だけが自分の顔にすーっと近づいてきた。
『もうだめだー!』と思った瞬間、その人は気を失ってしまったんだ。」

さらに先生は話を続ける

「夢かも知れないけど、こんなことがあったもんだから、その人はどんなに暑くても
窓を開けたまま寝るのは止めた。開けること自体止めた。
それからしばらくは例の白い女も出てこないし、ほっとしていた。
もうこの話は終わったと思ったんだね。

でも違った。

その人が昼寝(だったと思う)をしていたときだ。

いきなり両足を凄い力で掴まれた。
足を見ると、壁に大きな黒い穴が開き、そこから白い手が自分の足を掴んでいた。
(このときその人は、この白い手の持ち主が、あの「白い女」だと直感的にわかったみたい。)
もの凄い力でその穴に引っ張られる。周りのものにしがみつくが、そんなのものともせず
グイグイ引張られる。身体の半分くらいが黒い穴の中に入り、『もう駄目だ・・・』と
思ったとき、母親がその人を起こした。夢か現かわからんかったが、夢だったようだ。

ただ、奇妙だったのは彼の寝方で、壁に足をかけるように寝ていたらしい。
母親は二階で変な音がしたので、何かあったのかと思い二階に上がったところ、
その人が変な寝方をしていたので起こしたのだそうだ。」

それからその人は、先生のところに相談に来た。出来事を全部話された後、
「あのまま引き込まれていたらどうなっていたんですかね?」と聞かれたので
先生は「死んでいたでしょうね」と答えたらしい。その後、いわゆる
お祓い的なことをして帰したとのことだ。

この人はもともと先生は知り合いだったらしい。
ほかにも色んなことがこの家では起きてたんで、相談に来ていたんだとさ。
でも、今回はあまりに気持ち悪かったからすがる思いで先生に相談にきたんだと。

先生はさらに続ける。

「怪死事件は色々あるだろ?前日までは元気だったんだけどいきなり死んじゃったとか。
突然の心臓発作とかさ。いわゆる「ぽっくり」ってやつだけど。あれのいくつかはこういうの
なんだよ。なんかよくわかんない存在に魂だけもっていかれるんだ。お前らも気をつけろよw」

と冗談紛れに言っていた。そういうのわかんねー俺には気をつけようがねーよw

で、この話なんだけど、俺には呪怨と被るんだよ。あそこまで酷くないけどさ。
上に書いたけど、「白い女が窓から覗き込む」って書いたでしょ?
俺がずっと持ち続けてたイメージと呪怨1でのシーンがモロに被るんだ。
その後、黒い闇に引きずり込まれるっていうのも。

以上おしまい。

みんなどう思うかわかんないけど、呪怨見たときは変な寒気がしたよ。


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