[ビデオとテープと写真]
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ピ━ンポ━━━━━ン、ピ━ンポ━━━ン、2回鳴ります。
ここまで確実にきていました。
D「…来ちゃったよ…………」
Dが言うと、みんなどうする?と言わんばかりに顔を見合わせます。
C「とりあえず、偶然かもしんないし、玄関まで言って確認しようぜ」
そう言うとみんな立ち上がり玄関まで行きます。
……………1分くらい何も出来ずに玄関の前で立ち尽くす時間が過ぎました。
その間はテレビ画面は見れていません。
そしてまたピ━ンポ━━━━━ン、ピ━ンポ━━━━━ン。
みんなもう泣くだけで何も言いません。また沈黙が10秒くらい続きます。
A「っふ(笑)意外と親かもしんない。」
脅えて泣いている自分を無理矢理抑え込んで作ったAの笑顔が印象的でした。
そしてAが一歩踏み出しドアスコープを覗きます。
…………………………また沈黙が10秒くらい流れます。Aの表情はかわりません。ただドアスコープを無表情で覗きこんでいます。
そしていきなり表情が凍りつきました。横から見ていたオレが感じるにかなりの恐怖の表情でした。

「…そっ…そういうわけだったんね」

そういうとAは部屋に戻りました。他のみんなは唖然としています。
C「なっ何がだよ!」
B「えっ誰やったん?」
D「親なん?」
みんなが聞いてもAは無視でした。Aは再び玄関に戻って来ました。
手にはビデオテープがあります。 どうやら停止して取り出したようです。
A「みんな帰ってよ。」
みんな状況が未だにのみこめません。
そんなオレらを無理矢理押してAは帰らせようとさせました。
Aがドアを開けると誰もいません。
C「誰だったんだよ!」
A「知らないほうがえぇ。」
オレは『くねくね』のワンフレーズ思い出しましたのを覚えています。
Aはそう言うとまるで邪魔と言わんばかりに俺たちを家から追い出しました。
オレらは無理矢理追い出されると、沈黙しエレベータに乗り、帰りました。
B「・・・なんだんだよ・・」
C「いみわかんね・・」
みんな家に帰ってAにメールや電話はしましたが全く連絡がつきませんでした。
Aはずっと学校に来ませんでした。
Aの家に行ったりしましたが、母親が出てきて「体調は悪いので今日は帰ってちょうだい」の一点張りでした。
そしてAは3週間くらいしてどこかへ転校しました。
担任に聞くと「家庭の事情だから・・・」としか答えてくれませんでした。

それから1ヶ月くらいしてBが学校に例の件の写真とカセットを持ってきました。
C「なんにもなかったやんか」
D「正直もう思い出したくないねんけど」
オレもDと同意見でした。もうあんなことは思い出したくありません。
B「変なこと気付いたんよ…オレだけじゃ理解できんわ…」
そういうとBはカセットテープをカセットテープウォークマンで再生しました。
しばらく聞いていると……
C「普通のテープやんけ」
B「気づかんの!?この声誰よ!」
テープにはオレたち5人とは別に全く知らない人の話声が入っています。
みんな気付かないわけです。全然幽霊やお化けって感じじゃないんです。普通の人間の声でした。
それに極々普通にオレたちの会話の輪に入っています。
まるで6人で行って一人存在を忘れているかのようでした。
しかし男か女かは判別できない声でした。
オレ「……誰だよコイツ」
D「誰かの声が裏返っているんじゃね?」
B「でも明らかにオレたちの声じゃないヤツがいるだろ」
C「怖いこと言うなよ!」

続く