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師匠は車で俺を色んな心霊スポットに連れて行ってくれる。
半ば強制的な事が多いが。
この日も出る、と言われているトンネル探索に行くぞ、という事で強制連行された。

「今日はどこいくんですか。」

「それは着いてからのお楽しみだよ。」

…またこれかよ。
とは思うものの、お楽しみの方がわくわくするのだが。

途中、道が二つに分かれた。
右に行けば目的のトンネルへの道らしい。
だが師匠はなぜか左の道へ進んだ。
おいおい。
「ちょ、こっちだと違う所に行っちゃいますよ!」
とかいってみるが、師匠反応無し。
しばらく行くとコンビニがあったのでそこの駐車場で
小休止する事に。
俺はのどが乾いたので飲み物を買ってこようとコンビニへ。

「師匠も何か飲みます?」

というと

「コーヒー。」

「じゃあお金くださいよ。」

「ツケで。」

ツケって…。

「ほんとにツケときますからね!」

と言ってコーヒーを2つ買ってくる。
買ってきて師匠に渡すと、何も言わずコーヒーを飲む師匠。

うーん…これは俺が切り出さないとダメかやっぱ…
とか思いつつ。

「なんで左曲がったんすか。」

とか聞いた。

「うーん…ルートを間違えたって言うか…。」

「は?いやだって右に曲がるとトンネルなんですよね?」

「そう。」

「じゃあ間違ってないじゃないすか。」

何言ってんだこの人。

「いやだから、ルートだよ、ルート。」

「目的地はトンネルなんだからルートなんてどうでもいいじゃないすか。」

「ボクにはよくないんだよぅ。」

茶目っ気たっぷりでそう言う師匠。

意味がわからなかったがルートが変わればいいって事か。

「違うルート知らないんすか?」

「いやそれは大丈夫。問題ない。」

「じゃ、ソッチで行きましょう。」

「そだね。」

…?
あっけない。
なんだったんだ?

その後、違う道順で目的のトンネルに到着…
それはいいが、なんか師匠元気が無い。
自分から誘っておいてこの人は。

「うわー…なんだかいかにもなトコですね、ここ!」

とか言っても

「まあね。」

なんだそりゃ!

俺はちょっと出そうな雰囲気のトンネルだったので
師匠をほおって奥まで歩いていってみる事にした。

んー…なんか岩肌剥き出しのトンネルって赴きあるよな…。

なんて考えながら歩いて行くとあっさり反対側まで到着。

トンネル短!
しかも特に変わった事無し。
なんか師匠に腹がたってきた。
すぐに戻って文句いってやろうかとも思ったが、せっかくなので
トンネルの反対側入り口の先はどうなってるか見に行った。

ん?
ちょっと行くとなんか神社ある?
そんなような感じの建物が見える。
なんの神社だ?

とりあえず戻って師匠に報告する。
師匠だんまり。
せっかくだし行ってみましょうよとか誘っても
いかない、もう帰ろう、の一点張り。
俺はあまりにもトンネルがあっさりだったので
単独でいいから神社に行こうと思った。
師匠はどうします?と聞くと

「君を置いて帰ろっかな〜。」

!!!

なんて事を言うやつなんだ!

「そ、それは困りますよ!」

「じゃあ、もう帰ろうよ。」

おいおい、これじゃ何しに来たかわかりませんよ…。

どうしても行って来たいんですよ!とか食い下がってみる。
と。

「わかった。じゃあボクは車で待ってるから。」

やっぱり一緒に行く気はない様子。
仕方ないので一人で行く事にする。

続く