[半廃墟]

うちの近所の「何か出る」との噂があった民家の話


   このあたりは→    ◇←アパート(寮?)
   空き地        
         民家→○ ■←社屋兼倉庫

こんな感じ
民家は外観から築30年以上は経っていると思われる。
門もあって結構立派だが、玄関や門にデカイ蜘蛛の巣がいくつもはってるし
門の内側に生えている木は手入れされてないし、玄関の外は落ち葉や風に
運ばれたゴミが積もってて、しかも門の外を通るだけで異臭がする。
長いこと人の出入りがないことは明らか。
ただし、玄関の横の窓からは家具や荷物が積んであるのが見えるし、
台所の窓にも調理用品や洗剤が並べてあるのがわかる。

表側から見た雰囲気的には、この家の住人が入院か何かで家を空けている、
という感じ。

ちなみに民家と社屋兼倉庫の建物は、このあたりでは珍しく人が一人
やっと通れるくらいのスペースしかなく(通常はもっと空けて建築するはず)
、おそらく民家の住人がこの社屋の所有者だと思われる。

今年の5月くらいに、好奇心でその民家の裏側に行ってみた
アパート(寮?)は窓が木で打ちつけられていて、廃屋だった。
その周囲や空き地は草が伸び放題。
空き地から民家を見ると、便所か風呂か分からないが小さな窓があって
それが開けっ放し、そして部屋の窓の一枚が白いスプレーペンキで
塗りつぶされていた。
多分小窓から悪ガキが入って悪戯したんだろうと思った。
近所には小学校と中学校がある。

その小学校に私の二人の甥(姉の子、6年生と5年生の兄弟)が通っている。
民家の裏側から覗いた日から数日後、次男のほうが家に遊びに来たので、
その民家のことを知っているか聞いてみた。
甥の言うことには、小学校の児童の間ではその民家が「お化け屋敷」として
認識されているとのこと。
6年生が肝試しで中に入り(やはり出入り口は裏の小窓らしい)、茶の間に
座っている老婆を見たとか、夜9時過ぎに塾帰りに家の前を通った児童が
中から物を投げ捨てているような音を聞いたとか。

典型的な「怪談」だなぁ〜と思いつつ、お前はその家の中に入ったりするなよ、
それは「悪戯」じゃなく「犯罪」になるからな、と釘を刺しておいた。

そもそも「茶の間の老婆」とか「家の中の物音」などは、その家の住人が
戻ってきていただけ、子供が入り込んでも、痴呆気味の老人が気付かなかった
だけだ、と説明が付く。

続く