[集会]

来週の責任者会議の中で、会社移転の議題があると総務の者から聞きました。

「見える」原因となった、昔付き合ってた彼女の話を小出しにカキコしていき
たいと思います。

普段はごく普通の、とは言っても私には出来すぎた彼女だったのだが、いざと
いう状況になると、とても頼もしい存在だった。

20歳前後の頃は、毎週末になると某峠でドリフトを朝まで繰り返していた。
当然助手席には彼女が座っていた訳だが、どうやら様子がおかしい。
「次のカーブ過ぎたら、その次はハザード点けて静かに曲がってね。」
言われた通りにカーブを抜けると、そこは事故による大渋滞。
調子に乗ってドリフトした暁には渋滞最後の車に突っ込むところだった。
「下の方見えたの?」
「そんな訳ないじゃん。」
「どうして分かったの?」
「あぶないよ。って言われたの」
「誰に?」
「崖から落ちた車に乗ってた人に。」
普段はごく普通の、とは言っても私には出来すぎた彼女だったのだが、いざと
いう状況になると、とても頼もしい存在だった。

20歳前後の頃は、車に金をかけすぎたせいで常に金欠だった。
ラブホに行く金などなく、夜中になるとボーリング場の地下駐車場で「せくーす」
をよくしていたものだ。今日もと思いつつ、駐車場に車を止めると彼女が言う。
「今日はそういう気分じゃないなぁ・・・」
「うーん、とは言っても俺結構その気。」
「ここじゃなければいいんだけど・・・」
「なんかあるの?」
「今日は集まりの日らしいよ。」
「なんの?」
「みんなで集まってボーリングするらしいから。」

「ダーン!」

上の真っ暗なボーリング場の床にあの重たい球が落ちた音がした。
あわてて場所を変えた

次の話

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