[木箱の中身]
これは俺が学生だった頃の話。短期のアルバイトでお寺がバイトを
募集していたんだけどちょうど雑誌で見かけた俺はそれに応募して
バイトすることになった。寺の名前とか場所とかは教えません。
そのバイトは寺で一週間くらい行事みたいなのがあって(行事の名前も
言えません)参拝者が多く来るので掃除やお守り売ったりとかするバイトだった。
俺のほかにオタクっぽいとっつきにくい男とsさん(女で一つ上)が同じ
バイトで採用された。
そのオタクっぽい男はあまり話しかけやすくはなかったので俺とsさんは
自然とあいさつとかしてそこそこ仲良くなった。
それである日sさんが俺に
「このお寺ってなんか封印かなんかしてあるらしいけど何?」
と聞いてきた。俺もそんなもの初めて聞いたのでわからない。
どうもsさんも参拝者から、何かが封印(?)されてるらしいけど
何が封印されてるのか、と聞かれてそこではじめてそれを
知ったらしい。
かなり山奥に入ったしあたりはまったく人気などない。
そのぼろっちい小屋はかなり古いもので山奥にこんなものが
あるなど明らかに不自然だった。
sさんはぶっこわれそうな戸をあけて中に入ろうとした。
俺も戸を開けるのを手伝って中に入った。
中は物置みたいになっていたが仏壇のようなものがあって
何かを封印していると考えるならここしかないように思えた。
sさんは気味が悪いと散々言っていたが積極的に探索を始めた。
かなりほこりをかぶっているものでも平気で触るし正直かなりの
怖いもの好きだと思った。
そしてすぐにsさんは何かを見つけたらしく
「これこれ!みてよ!」と木箱を指差していった。
すこし大き目の木箱がありいかにもという雰囲気だった。
そうとうほこりをかぶっておりさわるのも嫌だった。
sさんはその気箱を開けたが中には木箱と同じくらいの大きさの
ガラスケースが入っていた。おまけにガラスケースにも
ほこりがかぶっていてまっくろで中が良く見えない状態だった。