[当世話]
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俺「祓っても駄目だったのに?」
ば「何でか知らんけどよ、そうしたら災いがぴたっと止んだんだ。人間は怖ぇよ。
  祓って駄目なら閉じ込めちまえってな。そんでな、毎年交代で札を新しく貼ったり、
  注連縄が古くなったらかけ換えたりってな、それでどうにかやってきたんだ。
  でもな、段々段々、その習慣も薄くなってな、注連縄も札もそのままになった。
  木は生長するからよ、注連縄の巻かれたとこだけ、ああやって括れてんだ」
俺「じゃあ、もう呪いは解けたって?」
ば「いや。たまーに変なことが起こるわ。○○の家のせがれ、頭がおかしいだろ。
昔は何でもなかったのによ」
俺「何であの家だけ・・・?(おいおい、うちはどうなんだよ)」
ば「あの家だけじゃねぇ。下の○×の家もだ」
そういえば、○×の家は奥さんと娘がおかしくなり、数年前に引っ越したのだった。
ば「それから●△(他にも三軒くらい。忘れてたがいずれも変な家)」
俺「他の家は? てか、うちは?」
ば「あとの家はもともとここらに住んでた奴らじゃねぇ。言ったことなかったな。
  うちの家はもともと商家でな、それなりに歴史もあったが、続けらんねぇことに
  なってな、俺とお祖父さんが今の家に養子で貰われてきて結婚して継いだんだわ」
今、俺の家はごく普通の一般家庭。曽祖父の代で商家はすっぱりやめたようだが、
今でも屋号が残ってて、祖父母世代の人は未だにその屋号でうちを呼ぶ。
屋号ってどの家にも当たり前にあるものだと思ってたから知らなかった。

ば「その家の血が絶えれば何も起こらねぇみたいでな」
俺「祖父ちゃんと祖母ちゃんてどこの人?」
ば(ニヤリと笑って)「ずぅーっと遠くだ」
なんで親戚が少ないのかわかったような・・・。
ば「義母から聞いた話だ。本当か知らねぇよ」
俺「今さらそんなw」
ば「まぁ、何にしても、うちは大丈夫だ。心配いらねぇ。けどわざわざ近付くなよ」
よく見ると大木の幹の二股部分には、人の頭部ほどの瘤があった。
あれの中身はまさか・・・とも思ったが、話自体の真偽も謎。
その家には悪いけど、実家がある地区にある家のうち数軒が変なのは事実。

まとまってなくてすみません。長文失礼しました。

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