[長年の怪異]
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4年くらい経って、兄は山口の大学に通うために引っ越していった。
母と部屋をわけて使っていた俺は、兄の部屋を引き継がせてもらうことになった。
それから1年後、俺は中学の部活のおかげでヘトヘトになりながらベッドに潜り込んだ。
その日はなぜか眠れず、9時にベッドに入ったのに、11時を回っても寝れる気配が無い。
すると突然明らかに部屋の中で女の狂ったような笑い声が響き、凄まじい速さで全員に鳥肌を
立たせながら俺は起きた。「イヒヒヒヒヒヒヒヒ」みたいな古臭い笑い方だったのが気味が悪い。
あわてて母とか姉とか起こして、今起こったことを説明した。3人で部屋を調べたが、特に変わった所が無い。
恥ずかしいけど、その日は母の部屋で寝ることに(w)


半年後経った。

ある日姉は友達を二人家に泊まりにこさせて、その夜は3人でカメラとかで部屋を
撮影して遊んだらしい。

1週間ぐらい経って、写真を現像した姉は真っ青になって俺に話しかけてきた。
「私を撮った写真に変なもんが写っとんよ〜」とかいいながら写真を見せてもらった。
確かに姉の後ろの窓からハゲた男の顔と、俯いている女?のシルエットがクッキリと
写っている。話を聞くと、文化祭でも自分の写真に変なものが写ったらしい。
姉は気味悪がって、2枚の写真を寺に持っていってお払いさせてもらうことにした。

姉も昔から兄が見た女の人や、俺が見た生首のことを非常に気味悪がっていたので、
寺にそのことを言ったらしい。そのとき姉が住職さんから聞いた話によると、、、
「もしかして君の家には納屋があるんじゃないんかね?納屋っていうのは普通物置として
使われているんじゃけど、昔は家に知的障害者とかが生まれると納屋に閉じ込めて
近所の人から隠すんよ。築30年以上っていったら、まだその風習が続いてた頃かもしれんねぇ。
もしものことがあるけぇ供え物とお経を唱えたほうがいいかもしれん。」
と聞いたらしい。祖母に納屋のことを聞いてみたが、ここに住み始める時から
納屋はあり、かなりボロボロだったので何度も祖父が木材を持ってきて補強したらしい。
父は風習を聞いたことが無く、納屋を調べに行ったがそれらしい場所は無かった。
しかし、あるスペースだけ不自然に土壁で塗り固められ、その場所に行くための床が
打ち砕かれて入れないようになっていたらしい。


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