[キャンプ]

小学生くらいのときに何かで読んだ話。
昨日寝てるときに思い出したので。
うる覚えなので脳内補填が大分入っています。


【キャンプ】


ぼくは今年、小学3年生になった。

するとお父さんが、
「三年生か。お兄ちゃんになった。よし!今度二人だけでキャンプに行こう!」
と言ってくれた。

お父さんの話では、山にハイキングに行き、魚を釣って食べたり、
ご飯も自分で炊いたり、そして夜は自分たちで張ったテントで一泊するらしい。
すごく楽しそう!ぼくはとても嬉しかった。

キャンプは今週の土日に行くことになった。

お父さんはキャンプ当日までに、ハイキングに必要な靴や服を買ってくれたり、
テントの張り方や魚の釣り方、ご飯の炊き方を教えてくれたりした。

「いいか。山の夜はとても静かだ。星もとてもきれいなんだぞ。」
「お父さんは何でも知ってるんだね!すごいや!!」

そんなお父さんが僕はとても頼もしく、とても好きだった。
そして金曜の夜。明日は出発が朝早くだったから早く寝た。

こわい夢を見た。

ぼくはどうやら山の中にいるらしい。
目前の茂みの中に、傷だらけで、血だらけのお父さんがいた。

「助けてくれぇ・・・。助けてくれぇ・・・。」

そう何度も、つぶやいていた。
ぼくは怯えながらも急いで駆けより、泣きながら抱きついた。
すると抱きつくと同時に、お父さんの身体がぐしゃりとつぶれた。
お父さんをつぶしてしまった感触が、とてもリアルだった。

そんな夢だった。
目がさめると、とてもいい青空だった。

「ほら!今日は暑くなるぞ!!」
とても明るいお父さんの声にすぐに安心し、夢のことは気にすらならなかった。

ハイキング、初めての魚釣りに飯盒でのご飯炊き、夕飯のあとはお父さんといろんな話をした。
どれもとても新鮮で、ぼくはとてもはしゃいだ。

寝支度をして、テントに入り、寝袋に包まる。
お父さんの言っていた通り、山の夜はとても静かだ。
続く