[捨てないで]

これは俺の友人のNから聞いた話です。
2年ほど前にメールで聞いた話ですが、とても怖いと思った話なので、
アウトロックに保存してあるその内容をそのまま書き込ませて頂きます。
一部どうでもいい話は、要約しております。Nは、別の学校の俺の友達です。

『最近どうや?しばらく 会ってないからな。
 実はこの前 とんでもないことがあったんだよ・・。それもいい話じゃなくてさ

 Aいたやろ?俺の彼女。なんでもかんでもめちゃくちゃくどいから1ヶ月(2006年現在では2年1ヶ月前)くらい前に俺のほうから振ってんな。』

確かに、Aは凄く嫉妬深く執念深い女で、顔はそう悪くもないんだけど、ある意味みんなから敬遠されていた。
Nは4回くらい告白されたけど全てふってたんだが、5回目の告白されてあまりにもしつこいのでしぶしぶ付き合うことになったらしい。
俺も関わらないようにしてたんだけど、とりあえずウザい奴だった。

『んでそれからしばらくしてな、その日夕方に俺が学校から帰ると、玄関に見慣れない箱が置いてあったんだよ。
 箱を開けてみると、君の悪い、ほら、よくさ、髪が伸びるとかいわれてる、あの日本人形よ。
 しかも傍らには手紙が置いてあって 「捨てないでね」 と書いてあった。
 俺はこういう類の きらいやん? こんなタチの悪いことするの 誰やねん と思ったら Aやった。
 「やめてくれんかなぁ こういうの まぁあいつやしなぁ・・・」俺変な納得したわ。』

俺もあいつなら、しそうなことだな。と思った。

『その日、とりあえず気味が悪いから物置の方に置いておいて、親が帰ってくるのを待った。
 「し・・・・しかし 気味の悪い人形だな」
 俺の弟も、こんなの見たら泣くに決まってるし、こういう類の俺と同じで嫌いやしな。
 なるべく親と俺だけで解決したい問題やった。
 辺りも暗くなり始めたころ、親は帰ってきた。俺は日本人形のことを話し、物置を開けた
 「ワッ! 何これ 気持ち悪いやん 今すぐほかして(捨てて)きなさい
  これ送ってきたの Aちゃんやろ? 電話しといたるから はよ 頼むで こんなんK汰(弟)見たら・・」
 俺はもう触るのも嫌やったさかいに、箱にもう一回入れなおしてさ とりあえずゴミ捨て場に向かったんや。

 「しっかし気味悪いな 何だこれ・・・変なオーラとか あんのかな? もしかして やばいやつか?」
 とか思いつつも、霊的な事の存在を全く信じてなかったから 俺はとっとと捨ててかえってきたんや。』

俺なら Aを呼び出すだろう。

『その日、親がAと何を話したのは知らんかったけど とりあえず捨てたってことで安堵して 普通に寝た。
 手紙も 嫌がらせの一部だろうと思ってたしな』

きっとそうだろう と思った。

『翌日、登校してみると 
 「バスケで知り合った○○校のAってやつが 3組のN(俺な)を絶対殺すとか言ってたよ Nってやつ呪い殺されるんじゃね?」
 「アイツなら やりそうだな」
 なんて話が聞こえてきた。
 俺はええ加減に腹が立つさかい帰ったら 電話でガツンと言ってやろうと思ったわ。

 俺はいつもより早く帰宅し、帰って早速受話器を取った。当然 Aにかけたんよ。
 でも、Aは通話中だったので ちょっとまったろかな 思って テレビでも見て少し時間をつぶしてると
 プルルルル プルルルルル と電話が鳴ったんよ。もちろんAからや。
 俺は受話器を取ってすぐに「おまえなぁ」とキレ気味で話したんやけど
 Aは冷淡に「あのね お人形 捨てたの? Nくんの お母さんから聞いたよ?」と返してきた。
 「バカヤロウ 前置きもなしにあんな気色悪い人形と手紙が送られてきて 捨てるに決まってるやろが!」
 「そうね 私はいいんだけどね どうなっても しらないよ ウフフ」
 その場にいたら、殴ってやろうかと思うような態度やったな
 「おいどういうことやねん!」
 「あれはね ○○峠(超有名な心霊スポット)に落ちてた お菊人形なの。傍らには 捨てないでね って書いた手紙があってね
  これは怖いと思ったから あなたに 送ってみたの」
 「アホかお前・・・なんでそんなことすんねん」
 「Nくん 私をフったでしょ?」
 まあ確かにそれ以外に動機は見当たらない。
 「お前・・・・・」
 ツー ツー ツー・・・
 そこで一方的に電話を切られたんな。』

続く