[指輪の行方]
前頁

Bさんは霊現象やそのたぐいは一切信じないタイプでした。その話を聞いたBさんは、バイトの2週間の期間
その部屋に自分を泊まらせてくれとオーナーに申し出ました。本来なら従業員専用の相部屋に2週間泊まる予定だったので
本来なら一般客に開放する部屋だけに従業員部屋とは雲泥の差なうえに自分がそこに泊まって
何も起きなければこれから普通にこの部屋を開放できて売り上げにも貢献できると考えたのでした。
オーナーは渋りながらも、去年から一年たっているしとりあえずOKを出す事にしました。
Bさんは大喜びで2-2号室に荷物を移動しました。しかしそれを怪訝な表情で見るオーナーの杞憂も無駄に終わりました。
Bさんはバイト期間の2週間を何事も無く過ごしてしまったのでした。
そう‥バイトの期間の2週間までは‥‥

バイトを終え、予想以上の働きでかきいれどきに多大な貢献をしたBさんはオーナーから臨時手当をもらうと
上機嫌で下宿している寮へ帰っていきました。
翌日の朝ふと携帯の呼び出し音で目覚めたBさんは携帯に出ました。
B「はいもしもし‥」「‥‥‥はど‥こ‥‥」 B「‥え?もしもし?誰?」「‥ぃわは‥どこ?」‥ガチャッ‥ツーツーツー‥‥‥
間違い電話か?と思い気にも留めずBさんは下宿先の自分の部屋で夏休みの宿題を始めました。
次の日の夜、だいぶ宿題もこなしそろそろ寝ようかと思った頃、叉携帯に電話がかかってきました。
‥ピッ‥‥B「もしも〜し」「ぅび‥わはど‥こ‥‥?」B「‥‥はい?誰ですか?」「ゆ‥ぃわ‥‥はど‥こ‥?か‥え‥‥‥て‥‥」
うわ‥いたずら電話?気持ち悪いなぁと思いBさんは携帯を切りました。
ちょっといやな予感を感じながらも気にしないように勤めながらBさんは眠りに付きました。

ふと目が覚めると夜中の2時でした。のどが渇いたBさんはふと冷蔵庫に手を伸ばそうとした瞬間
携帯が鳴り響きました。誰だこんな時間に‥‥彼女の○○かな‥と番号費通知の表示を推理しながら
携帯にでました。
B「誰?」 「‥ゆびわか‥えし‥‥て‥」 B「‥‥(‥まさか‥‥)」「‥指輪返して‥‥」
Bさんは全身にいやな汗がどっと噴出してくるのを感じました。思い出したのです、バイト最終日に
自分が泊まった2−2号室を大掃除していた時にベッドの裏から出てきた綺麗なトパーズでできた指輪を
黙って持ち帰ってきてしまった事を‥‥‥そしてそれを当時付き合っていた彼女にバイト代で買ったと嘯いてプレゼントしてしまったことを‥‥‥
「‥‥返して‥ゆ‥び‥‥わ‥‥‥」 こ の 世 の も の じ ゃ な い 
電話をブチ切ったBさんは彼女が心配になり彼女の携帯に電話をかけましたが電源が切れているらしく出ません。
その後は携帯の電源を切って眠れない夜を過ごしました。
次の日朝一番で彼女の家に向かったBさんは見てしまいました。
彼女の家の風呂場のドアノブで首を吊っている薬指が根元から無くなっているBさんの彼女の姿を‥‥
彼女の部屋には粉々になった携帯が散乱していたそうです。
Bさんは半分狂いそうになりながらも指輪を探しました‥おそらく半狂乱になりどこかに投げ捨ててしまったであろう彼女だけしか、いや、彼女さえもどこに投げ捨てたか理解できていないであろう指輪を必死に‥‥‥

その後Bさんってどうなったんすか?‥‥と私がサークルの先輩に聞くと、
ノイローゼになったBさんは両耳の鼓膜を潰し精神病院に入院しているそうです。
退院してもしばらくするとまた鼓膜を自ら潰してしまい入退院を繰返しているそうです。
私が、Bさんとはたまに連絡取ってるすか?と聞くと先輩は一言、
「取ってない‥‥いや、取れないって言った方がいいのかもな‥‥」
どういう意味ですか?と聞くと一言‥‥

だってあいつの実家電話今は家族全員使ってないんだ‥‥‥


次の話

Part131menu
top