[人間の方が怖い]
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「・・・・・・・・・・・・・・・」
その間数秒、私に満面の笑みを投げかけたあと
先程と同じ様に「キャハハハ・・・」と叫びながら私の横を走り抜けていきました。
彼女が走り去った後も彼女の後姿を凝視していましたが
気を取り直して寮に帰るべく、どっぷりと冷汗をかいた背中を気にしながら
彼女は夢遊病者?それともちょっと脳の弱いヒト?などと考えつつ
寮の前に着きました。

この恐怖体験を早く同期の連中に話してやろうと、呼鈴を鳴らすも
何故か誰も出てくれません。
通常は管理人さんがいて、玄関の鍵を開けてくれるのですが
何度呼鈴を押しても出てこないんです。
少し焦ってきたその時、思い出したくもない声が遠くから聞こえます。
「キャハハハ・・・・」
「おいおい!戻ってきたのかよ!」

この時はさっき遭遇した時よりもビビリましたが、彼女は私の前に
再び姿をみせることはありませんでした。
どうやら寮とは違う方向に曲がったようです。
そうこうしているうちに管理人さんが鍵を開けてくれたのですが
人生で一番ビビッた記憶です。
幽霊も怖いですが、狂った?人間の方が怖いですね。

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