[猫踏んじゃった]
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男が自分の頭上からおもいっきり、子猫を地面に叩きつけたのです。
私はボーゼンとしていました・・・。
何が起きたのか分かりません・・・。
アスファルトには子猫がピクピクと痙攣しています。

子猫【に・・・ゃぁ・・・・・・】

声に鳴らない声を子猫は出していました。
そんな私に追い討ちをかけるかのように
男は信じられないことをしました。

男【猫ふんじゃった〜・・・猫ふんじゃった〜・・・】

男は歌を歌いながら子猫を踏み始めました・・・。
かなり強く・・・。
私は目の前の光景にどう対処していいか分かりません・・・。
たぶん、パニックに陥ってたんだと思います。
体が震えました。声も出ません。
子猫は絶命しているようでした・・・。
さっきまで元気そうだった子猫が、こんな状態に・・・。
頭が変になりそう・・・。
私は踏まれ続けている子猫を見ました。
血・・・血がアスファルトに垂れてきています・・・。
血を見て、非常に怖くなりました・・・。
私は悲鳴をあげ、泣きながら走って家に帰りました。
母親がそんな私の姿を見て心配してくれました。
しかし、先程の出来事は家族には言いませんでした。
何故かは分かりませんが恐くて・・・。

次の日、恐る恐る子猫が居た場所に行ってみました。
・・・猫も猫が入っていた箱もありませんでした。
ただ、アスファルトにシミのような物がありました。
子猫が踏まれていた場所・・・。
子猫の血です・・・。

私は現在、対人恐怖症に悩まされています。
・・・今でも猫を踏んでいる時の
男の嬉しそうな顔が忘れられません。
よだれを垂らし、息遣いが荒く、目が逝ってしまってる顔が・・・。
今でもその男が普通に生活しているのかと思うと
とても恐いです・・・


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