[スライドババア]
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家までついてこられたらヤバイ。なんか知らないがコイツやばいなと感じた俺は

「家には帰らないよ。友達の家までいくから。だからついてこないで。ついて来るなら警察呼びますよ」
そう言いました。

そしたら

目が血走った顔で「私殺される!!殺されるの!!殺されてもいいの!!!?」

もう俺は意味わかんないのと恐怖で泣きそうでした。無責任な気がしたけど夢中で走って逃げましたね。
俺が殺されるって感じましたもん。

3月なのに汗びっしょりになってマンションの前まで走った。
恐怖心と神経質になってたかもしれないから気のせいだと思うけど、また交差点でばぁさんがスライドして横断したように見えたんです。
もういい!もういい!と頭の中で連呼しながら自分の部屋の前まで行き、鍵をあけ部屋まで無事たどり着きました。

ベットに倒れ込み、息を切らしながら気分を落ち着かせて、一応鍵をかけた事を確認して普段やらないチェーンもかけました。

なんだったんだあのババァは。俺は喉が乾いていたので丁度買ってきたビールを飲もうとフタを開けました。
プシュー!っとビールが吹き出し、「やべ、走ったからなー」


その瞬間に カコンッ って音がなったんです。ドアから。
ドアについている郵便受けが開いたり閉まったりしてるみたいなんです。
何度も何度も。

気分が悪いですが、あのばぁさんが俺を確認するかのように郵便受けのフタをあけて確かめてるような気がしてならなかった。

カコンッ パタン カコンッ パタン


ずっと続きました。俺は恐怖に震えた手で警察に電話して、部屋の郵便受けを開けたり閉めたりする奴がいると通報しました。
10分後、急に音が止みその後に警察が着てくれました。

警察「本当にさっきまで私が来るまで郵便受けを開けてたんですか?誰もいませんでしたよ?心当たりあります?」

ないに決まってる。とりあえずババァの事をすべて話して朝までマンションの回りをパトロールしてくれる事になった。
それから数週間、スライドババァの夢をほぼ毎日見続けノイローゼ気味になった俺は最悪の東京デビューとなった。やる事なす事駄目だし、ベランダでスズメがよく死んでいるし、軽い交通事故にあうし。
さらに3ヶ月後、埼玉の方へ引っ越した。
引っ越すと同時くらいに調子がよくなりました。

あのばぁさんは俺の家を見つけた。そして俺の家に住んでいたのかなーって思ったりした。


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