[コケシ]

信じるか信じないかは別として知り合いに変わったやつがいる
小学校時代からの友人で、現役の住職をやってるやつがいる

私自身は霊感なんてこれっぽちも持ち合わせていないのだが
こいつのせいで 何回かありえない現象にあっている

私は職業システムエンジニアでそういったものはまったく
信じてないし、ありえないし、いるはずがないと日頃から公言している
そういうのもあって住職がやたら私にそういうものや話しをしてくる

社会人になって間もない 夏のある夜、住職から電話があった
「よぉ 俗世間の生活はどうだ? 楽しいか? 今から時間あるか?」

ちょっと酔っ払ったような軽く興奮したような そんな早口の口調だった
日頃は年の割には達観したというか落ち着いた口調の奴なんだが、めずらしい
事もあるもんだと思って
私 「まぁ明日休みだし、久しぶりに飲むか?」と答えたら
住職「今からいく」
十分もしないうちに住職がやってきた

住職「いやぁ ひさしぶり 何年ぶりだ?ん?」
そういいながら 家にやってきた
私「あほか こないだおうたとことこやろ それよりなんか用か?」
住職「友達にあうのに用がいるのか? あははは」

酒をちびちび飲みながら くだらない話をしてたんだが
なんか様子がおかしい 妙にうれしそうだ
私「お前 なんかあるやろ そんなにうれしそうなんおかしいぞ」
住職 「やっぱわかる? 今日はちょっとおもしろいものもってきた」

私「なんや? ビデオか? ゲームか? つまらんもんは嫌やで」
住職「ふふ ジャーーん いわくつきの御人形!」
そういって鞄の中から木箱だして 蓋をあけて見せた

私「うわ・・・・いやがらせか? 第一そんなもんどっからひろてきたん?」
住職「まぁきけ」

話しはこうだった
住職の知り合いAさんから妙な相談を持ちかけられ私の家に来る前にいってたそうだ
妙な相談というのは、Aさんが東北でかった古い人形を見てくれというものだった
Aさんいわく 人形を手に入れてから、家で子供の話し声や誰かがいる気配が常にするので
住職のお寺でお払いしてほしい そんな相談だったらしぃ

私「・・・でこの人形になんかあるん?」
住職「まぁそれは内緒 言ったら面白くないやん」
住職「これ見てみ御人形さん悲しいというか怒ってるというかそういう顔してはるやろ」
私「・・・確かに古臭いが そんなんありへんよ あほらしい」

住職「お前ならそういう思てね もってきた んで今日はここに置いていく」
私「・・・まじで? 預かりもの置いていくなよ 何考えてるの?」

住職「まぁお前、日頃から全否定してるやん それにこれ昼間でないと・・」
私「はぁ?意味わからん ふざけんな もって帰れよ」
住職「それにこれはAさんとこ返されへんからな ほなな かえるわ」
続く