[コケシ]
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本当に置いていった・・見たところちょっと薄汚れてたが普通の日本人形だった
少し酔ってたせいもあって気にも止めないで、人形を箱にほりこんで、箱をTVの上に置いて
その日はぐーすか寝たんです

しばらくして 喉が無性に渇いて目が覚めた 時計をぱっとみると03:30
人形のことなんかすっかり忘れて 台所で水をごくごく飲んでたんです
そしたら服をちょいちょいと引っ張られて
ん?とおもってみたら 子供が私のよこっちょにいて
「うちらもお水・・・」
あぁ・・はいってコップに水をいれてる最中に我に返りました
びっくりして振り向くと 部屋中に何十人も子供がいてこっち見てたんです

情けないことにそっから記憶がなく、朝 住職のインターホン連打で目が覚めました
私「もぉ休みの朝早くからちょっとは迷惑かんがえろよ」
住職「ん? なにいうてるん?もぉ昼過ぎてるぞ」

時計をみると12時を過ぎてました
住職が私の顔を見てニヤニヤしながら、「昨日なんかあった?」
私「なーんもあらせんよ 酔ってたしぐっすり寝てたわ」
住職「んーー・・そうかぁ・・ まぁ 人形どこ?」
私「そこTVの上」
住職がTVの上においてある人形をひょいて持って、なんかブツブツ
言い始めた後 数珠を人形にかけたんです

住職「ほんまになんもなかった?」
内心 人形が箱から出てたと昨夜の子供の件でかなりびびりまくってましたが、
弱みをみせるのもしゃくなので 何もないと言いはねました
住職「これね たぶん コケシ なんよ ようさん子供が憑いてる」
私「・・・・・」
住職「こんだけ 憑いてたら ご供養してもあかんしな これは焼かなあかん」
私「・・・・・適当なこというなよ・・・」
住職「ほんまやで ほれ」
住職が人形の着物はぎとったら 人形の腹から 何やら名前を書いた小さな紙が
ばらばらとでてきた

それを見てその場で泣きそうになったけど
その日のうちに 住職の知らないお寺にいってお払いしてきてもらいました


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