[全て知っている]
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その授業が終わり、休み時間、A子の机に仲間達が一斉に集まって来た。
『なにあれ?A子めちゃやばいぢゃん!』
『どーして本名とか言っちゃったの?』
A子は『私、何にも教えてないし!てか、あいつからメール来たし!』と半泣きになり仲間に携帯に入って来たメールを見せた。
仲間達も一気にビビりだし、『ぜってーこの占い師やばいよ!とりあえずこのアド拒否っときな!』と言い、拒否設定を仲間の一人がやりだした。
と、その時にメール着信、占い師のアドレスから。
思わず『うわっ!』と仲間は携帯を床に落とした。
A子は慌てて携帯を拾い、メールを開いた。

件名・
調子に乗りすぎたね、A子ちゃん(^o^)/

本題・
○○女子高って進学校なんだね。A子ちゃん賢いんだ。
一日も早くA子ちゃんに取り巻く闇を掃ってあげなきゃね。


A子は震え出した。
学校名までバレている!一体何故?

占い師が来るかも?!


仲間達もメールを見て『ちょっとこれマヂやばくない?警察に言えば?』
と言ったが、A子は自分にも非がある為それは出来ないといい、泣き出した。

次の授業中、A子は携帯の電源を切り、ずっと顔を伏せ、恐怖に怯えていた。

仲間のB美は、どうしても真相が気になり(いくら占い師だからってネットで名前ー住所がわかるのか?)また、例のサイトにアクセスした。
するとA子専用スレッドの書き込みが(10)になっていた。
早速、見てみると、書き込みはすべて占い師で
『A子さん。調子に乗りすぎましたね。』
『A子さーん。書き込んでね。』
『A子さん。さっきまでの威勢はどーしたの?』
『A子さん、悩み事聞くよ?』
『A子さん、携帯の電源入れて!』
『A子さん!せっかく電話かけてるのに!』
『A子の携帯テレビ電話できるよね?』
『A子、今日は何時に帰る』
『A子、迎えに行っていい?(^o^)o』

と、何やらストーカーのような内容。しかも携帯番号、機種までもがバレているような内容の書き込みだった。
これにはB美も驚き、さすがに何も書き込まずに接続を切った。仲間のC、Dも書き込みを見ていて、恐怖を覚え、とりあえず今日は早退しようと言う事になり、四人で昼休みに早退した。
A子は占い師が家まで来るかもしれないと言う恐怖心から一番仲の良いCの家に泊めてくれと言った。
Cは快く引き受け、一旦A子の家に着替えを取りに帰り、Cの家に行った。
Cの家に着いてから、CはA子に占い師の事を忘れさせる為にお笑い系の番組ばかりをかけて、一切占い師の話をしなかった。
A子も占い師の話は一切せず、ただテレビを見つめていた。

夜になってCの家族と共に晩飯を食いながらお笑い番組を見ていたら、Cの家の電話が鳴った。
A子とCは一瞬、脳裏に占い師の事がよぎり、固まった。
電話にはCの母親が出た。
その様子をA子とCは固唾を飲んで見つめていると『A子ちゃん。お母さんから電話よ!』
と。
張り詰めていた緊張感がほぐれた。
A子は携帯電源を切りっぱなしにしているから、A子の母が、A子が嘘をついて男と外泊では?と疑って、本当にCの家にいるか確認の電話をしてきたらしい。
A子はCの母親から受話器を受け取り、少しだるそうに
『なにー?』といった。
すると聞き慣れない女?の声で『ビビって逃げてんぢゃねーよ。』


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