[掴む人、再び]

これは俺が先生のグループに入って体験した事で、一番厄介な件。そして俺が霊感モドキを手に入れた時の事。


ある日、トモヤ(俺が先生と知り合うきっかけになった奴)が、集い場(心霊スポットの事。俺たちはこう言ってた)
を見付けてきた。夏だし、皆で行ってみようかーって話になって、ワゴン持ってる先輩、ハタさんに連絡して
やっぱりいつものメンバーで行くことになった。
夜になっても暑くて、俺はトップスはタンクトップだけで行くことにしたんだけど、後々後悔することになる。
夜中になり、十二時を過ぎた頃にハタさんの車が来た。
メンバーは先生、俺、ハタさん、トモヤ、ユウ(女の先輩)さんのいつもの五人。
今回の集い場は山の中にある廃ホテル。ちょっと前までは結構有名だったらしい。
それを聞いて先生は、
「怖そうだね〜」
っていつも通りふにゃふにゃ〜っと笑ってた。

そしてホテルに付いた。結構大きめ?の洋館みたいな感じ。それを見てハタさんが先生に聞いた。
「居る?」
「居るね〜。結構凄いよ。【隠れる人】が窓に何人か。あ、【潜む人】が居るかもしれないから変なの触らないでね〜」
と言ってまたふにゃふにゃ〜。
でも先生の口ぶりからすると、それなりヤバイっぽい。少し緊張しながら中に入っていった。
三階建てで、横に広い変なホテルだった。少し探し回ったけど、何も無い。
ハタさんが何もねーじゃんかーなんて言ってトモヤを懐中電灯でこづいたりしてた。
一階、二階を歩き終わって、三階歩いてる途中、先生が言った。
「この部屋……」
ホテルの一部屋。先生がその部屋の扉を見て言った。
「何か居るみたいだけどどうする〜?」
入る事にした。
何分か待ったけど、何も起きない。皆で休む事にした。
ハタさんは煙草を吸って、先生は煙い〜ってふにゃふにゃして、トモヤとユウさんが何かを喋ってる。
俺は窓から外を見ていた。
そしたら、

続く