[感情のあるこけし]
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僕「っっっっ!!」

僕は急いでそのこけしをとり、窓から投げ捨てた。

僕「はぁはぁ。なんなんだ!?」

すると、何かの音がする。

「コツッ コツッ」

寒気がする。

「コツッ コツッ」

もしかして・・・

「コツッ コツッ コツッ。」

部屋の前で止まった。

「コンコン」 ノックだ。

僕「お母さん?それともお父さん?」
返事がない。僕もそんなはずないとわかっていた。しかし、そう、思いたかった。
「コンコン」 まただ。

確かめよう、そう決心した。
ドアを開けた。
・・・・誰もいない。
ドアを閉めようとした。何かが挟まった。

上を見た。・・・・・何もない。

下を見た。・・・・・一体のこけしが挟まっていた。

絶句した。思わずこけしを蹴った。すると小さな声で

「ひどい」

と聞こえた。
部屋の鍵を閉め、ベットでガクガクふるえながら恐怖で泣いていた。
そこで気づいた。
窓があいている。
閉めようと思ったとき、丸い何かがとんできた。
びっくりしたが、気にせず窓を閉めた。

僕「よし、これで・・・っっ!」

丸い物に目を寄せるとそれはこけしの顔だった。
僕は動けなかった。こけしの顔はこっちを見て、

「許さない!許さない!許さない!!!」



そして気づくと病院にいた。どうやら精神病院らしい。
僕はあれから半狂乱になり、親が駆けつけ止めてくれたみたいだ。

父「気がついたか!びっくりしたぞ。部屋の中で叫んでるんだから!
  とりあえずここで3日間ゆっくりしとけ。夏休みだしな。」
僕は急にここで過ごせって言われびっくりしたが、正直一人で部屋に居れる気がない。
こけしはどうなったんだろう?と思い父に尋ねた。
僕「父さん、こけしどうしたの?」
父「あぁ、あれは捨てたよ。お前も不気味がってたし。」
僕「よかったぁ。」

しかし僕は忘れていた。あのとき投げ捨てたのに戻ってきたのを・・・

そして、親は帰り、病院の先生の話を適当に聞き、すっかり安心していた。

ポケットがふくらんでいる。

なんだ?と思った。服は昨日のとは違う服だ。
つかんでみる。丸い。
ものすごい寒気がおそった。
おそるおそるだして見る。
あのこけしの頭だった。

恐怖もあったがなぜ?という気持ちもあった。
戸惑っている僕の顔を見てこけしは不気味に笑いこういった。

「ながさないよ」
以上!


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