[私の赤ちゃん]

一昨年の夏休みの出来事。
車であてのないぶらり一人旅をしていたんだけど、新潟から長野へ向かう途中の山奥で道に迷ってしまった。
まあ高速代を浮かすために勘のみで見知らぬ峠道を走ってみたんだけど、案の定はまってしまった。
…時間は深夜をまわって人家も全くないし、行けども行けども山を脱出できない!
参ったなと焦りはじめた頃、峠を下る歩行者を発見!
こんな山奥でも住んでる人はいるんだな〜と思いながら徐行して近づいてみた。
それはベビーカーを押した若い女性だった。
きっと赤ちゃんが夜泣きでもしたためにこんな時間に散歩してるんだろうな。大変だな〜と、ノンキに考えて通り過ぎようとした。
しかし!すれちがい様、アレッ!?と思った!
…何かこの女変だな?髪はぼさぼさで、服も泥で汚れている。手足はすりむいたのか、あちこち血がにじんでいる。
何よりこの女、裸足で歩いてる!
…僕はもしかしたら何か事故とか事件に巻き込まれた可能性があると思い、あわてて車を止めて降り、女性に声をかけた!
「あの…大丈夫ですか?」
しかし振り向いた彼女を見て僕はゾッとした・・・この女に声をかけてしまった事を後悔する事になった!
ベビーカーに乗せた赤ちゃんは、何と死んでいるではないか!
腐った肉の匂い!目玉の部分がぽっかり空洞になっている・・・素人目に見ても明らかに死んでいた!
この女は!赤んぼの死体を押して歩いてる!

「うわッ!」

僕はあまりにビックリして、のけぞりひっくり返りそうになった!
だがよろめく僕の手を彼女がしっかりとつかんだため転ばずにすんだ・・・が、その後ものすごい腕力でグイィと引っ張り上げられて彼女と至近距離で目があった!
目の焦点がおかしい・・・いわゆるイっちゃってる状態・・・
で、女は僕に顔を近付けて突然叫びだした!

『私の赤ちゃん!赤ちゃん!赤ちゃん!赤ちゃん!』

・・・!!かなりパニックになった僕は女を突き飛ばして、車にダッシュで戻りその場から逃げ出した!

と、まあここまではよくある話というか、ただのキ〇ガイ女ジャネ?って事で終わるはずなんだけど更に続きがあるんだよ!

続く