[危ない橋を渡る]

卒業して地元に帰ってきてからの話なんですが、
M市に住んでた頃のアパートではじめて実物を見まして
(これも端折ります、赤いワンピースの女とスーツの男が
俺のベッドの横をぶつぶつ言いながら俯いて歩いてました)
其れ見て以来なんとなくそういう場所がわかるようになったんです。
(普通に運転してて背中から腕にかけて鳥肌が急にたったりとか。)

怖がりのくせに肝試しとか大好きで、
飲み屋の友だちとかと男3女3で県内の心霊スポットに行こうという話になりました。

県内でも有名な場所を何箇所かまわったんですが、
俺は全く恐怖を感じず鳥肌も立たないので、
「まぁ暗くて静かな所は怖いもんだからな・・・。」
とか思ってました。大体有名スポットなんかは噂が先行してしまってるもんです。
友だちは怖がりながら楽しんでましたが。

女の子の内の1人が、
「実は私ちょっとだけ霊感があるんだよね」
とか言いだしたので、こいつ痛い奴だなとか思ってたんですが、
行くスポット行くスポットで、
「ここはうわさだけで大丈夫だね」
とか、
「ここは何も感じない」
とか、俺が思ってたことを言ってくるのでこいつは中々やるなと思ってたわけです。

そんな時に友人が、
「俺の地元にスゲー所あったわそういえば!」
と言うので、そこに向かう事にしました。
話を聞いてみると、そこはなんか良くない場所と繋がっていて、
自殺者が絶えないのでえらいお坊さんがお札を貼って注連縄をしていると。
何か昔話に出てきそうなシュチュエーションだったので鼻で笑ってたんですが、
とりあえずそこに向かう事にしました。
小川の近くのキャンプ場みたいな所の奥にその場所はあったんですが、
ここも全く怖くない。鳥肌も立たない。
変な金属音はずーっと鳴ってた(俺とその女の子しか聞いてない)んですが、
それ以外に別に変な所はない。
まぁこんあもんかと思っていたので、
そこに行くまでに感じた所の話をすることにしました。
続く