[事故現場]
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その場にいた我々を恐怖させたのはそのシチュエーションもそうなのですが、圧倒的に音の要素が多かったと思います。
まず山の中腹の施設からは絶えず「じーーー」っという音がすごい音量で放たれていて、少し離れた人の声が聞こえないほどでした。
そして反対側の闇からは川の流れる音がこれもかなり大きく聞こえてきました。
B「気分が悪い。川が怖い。。ここやばいよ」
僕「川の音、でかすぎないか?見える?」
C「見えない。。本当に向こう川あるのかな。。」
A「寒くなってきたね」
川を見たくなったので車から懐中電灯を取り出し、一番霊感が強いBに行っても危険はなさそうか?と聞きました。「うん。。平気かなぁ。。気を付けてね」そういわれて僕は道路を渡たりました。

ガードレールの向こうを懐中電灯で照らすと2〜3m下に草むらが広がっていて、10mくらい向こうにかすかに川が見えました。ぞっとしました。あんな遠くの川の音がこんなに響いてくるものなのか?明らかにこれまでの常識を覆す音量です。
そんな事をその場でみんなに伝えると、Bがジッと違う場所を見ているのです。
僕「あっちに何かあるの?」
B「。。うん。。いる。。見えないけど。。なにかいるように感じる」
それはカーブが始まる場所にあるカーブミラーでした。
僕「いってみてもいい?はっきり見えたら教えて」
B「。。」
川を覗き込んでいた場所から10mほど事故現場から離れていくと、カーブミラーのところまできました。山の中腹にある施設を照らす緑色の光はもう消えかけ、ガードレールの向こうの闇と同化しそうなどほ暗いです。
そこからみんなの方向を見たり、カーブミラーを懐中電灯で照らしたり、見渡したりしました。
ガードレールの向こうからはやはり川の音が迫るように聞こえていました。その闇、まったく何も見えない所を見続けていると、闇の中にも濃淡ができて、それがうごめいているように見えてきます。急に怖くなって元いた場所に戻ると、Bの顔はもう真っ青になっていました。

続く