[酒の勢い]

2月10日金曜日

先週の金曜日、職場で送迎会があった。
私は過去に、自分より弱い男に会った事がないほどに酒が弱い。
(体質的に飲めないという人は除く)
ビール2・3杯で寝てしまう事が度々あり、常人に付き合っていたら確実に潰れる。
そんな訳で、飲み会は嫌いじゃないんだけど、普段は少量しか飲まない事にしている。
ところが、昨日に限って体調のせいなのか妙に調子が良い。
話が弾んだ事もあってか、同僚以上に飲んでしまった。

今思えば、あの時から嫌な予感はしていたように思う。
シックスセンスは皆無に等しい私ですが、あの時、もう一人の自分の声に耳を傾けていたら…

飲んだ私は2次会のスナックでも絶好調。
歌いまくりました。そしてホステスにセクハラしまくりました。
思い起こせば同僚も、いつもの私ではないというような事を言っていた様に思う。
そんなこんなで24時を回り、そろそろ解散という事になった。
ところが、したたかに酔っ払っていたにもかかわらず、このまま家に帰るにはむしろ物足り
ない程だった。(このあたりから所々記憶が抜け落ちている)

そこで、半年ほど連絡を取っていなかったセクースフレンドのユミコに電話をかけた。
ユミコは一人暮らしで美容師、見た目も良いという非常に都合の良い女であったが、
最後に会った時につい調子に乗り、「お前のマンコは鼻がひん曲がるほど臭い」
的な発言をしてしまい(実際はそれほどの悪臭では無く、ジョークのつもりでした)、
それ以来、気まずくなり連絡をとっていなかった。

酒の勢いだったが、以外にもokだった。「鍵は開けておく」という事だったと思う。
私は小躍りしながらタクシーに乗った。
車で10分ほどの距離だったが、タクシーが動き出すや否や急に具合が悪くなってきた。
運転手とのやり取りもうまくいかなくなり、結局アパートに着いたのは25時過ぎだった。

この時、タクシーが事故ってくれたら、あのアパートにたどりつかなかったら・・・
今となっては何の意味もない思考ですが、本当にそう考える。

ユミコの部屋は303号室で3階の真ん中あたり。
私はふらつきながら階段を上った。建物の隅の階段を上り(307か308が端)
角を曲がると、1階のコンビニにでも行っていたのか、ユミコらしき人影が丁度
部屋に入って行くのが見えた。
名前をよんだと記憶しているが、ドアが閉じてしまい声は届かなかったのだと思う。

追いかけてノブを回した。鍵は掛かっていなかった。部屋に入ると電気は消えていた。
暗かったが、隣の建物の電気がスクリーン越しに入ってきており、移動に支障はなかった。

続く