[見つけたぞ]
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生きてる人間かもしれないと良い方向に考え、一抹の望みをかけて怖いけれども、
確認の意味でバックミラーを見るといなくなってたから幽霊だぁ。」と、力なく言ってきた。
電話越しにハッキリわかる声の震えと半泣き状態だった。
しかし、普段見えてる人間が何で怖がってるのかと聞くと、覚えられた気がするとのコト。
しょうがないので、帰り着いて寝るまで通話をしていて、お互いにオヤスミを言って寝る直前、少しの間を置き
彼女の「ギャーーーーー!!」と言う悲鳴の後、電話が切れた。
ただ事ではないと思い、何度も電話しのだが結局繋がらず、
次の日には仕事があるため、オイラは薄情にも寝てしまった。
翌日の夕方、彼女から電話があり、昨日の夜の続きを教えてくれた。
彼女、「昨日は遅く迄付き合ってくれてアリガトウ。それといきなり大声出してゴメンね。
寝ろうとして、携帯切ろうと携帯を顔の前にやったら、
携帯の明かりでさっきのお婆サンが真横に立っているのに気付いたのよ・・・。
それでパニクってあの悲鳴・・・、その後、家族みんなが起きてきて、事情を話したら
以前、とり憑かれてお祓いした時に貰った祝詞をあげ、粗塩を撒いたら納まった。」と言ってた。
オイラは大変だったなぁ、と思ってると彼女が、「お婆サンが携帯の明かりに照らされた時に
黒く濁った瞳で見つめながら、息遣いが聞こえる程顔を近付けて、
ニヤーッっと笑いながら「見つけたぞ、ヒヒヒッ・・・」と言い残し、すーっと消えていくのを見て、
恐怖で全身の血が凍り付くかと思った・・・。」と言っていた。

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