[目をカエセ(未完)]
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【肉塊】

次女には、眼球以外の外傷は見あたらなかったが、
妻、長女の遺体損壊状況は凄惨極まるものであった。

母親は両手の指全てが鋭利な刃物で切り取られていた。
さらに切り取られた親指が眼球を抜かれた両目の部位に差し込まれ、
残りの指全てが口の中に押し込まれていた。

長女は母親と同じように、両手の指全てが切り取られた上、
性器の部分がすっぽりとえぐり取られ、それが口の中に押し込まれていた。
さらに腹部の真ん中を約20cmに渡りかき切られ、
内蔵の一部が体外にはみ出していた。

3名の損壊した遺体の周りには数え切れぬ蛆が蠢き、さらに成虫となった蠅が
卵を遺体のあちこちに植えつけていた。

すぐにA氏は重要参考人として事情聴取を受ける事になり、
3名の遺体は司法解剖へと回された。

A氏は精神錯乱状態にあり、事情聴取は思うように進まなかった。
しかし現場の指紋鑑定、侵入者の痕跡がまったく無い状況から
A氏がこの凄惨な事件の「犯人」であるのは明確だった。
そしてA氏の断片的な自白と司法解剖、さらなる現場検証から、
この凄惨な事件の狂気の背景が明らかになった。


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