[貴族]

先程体験した話です。私は山形県、蔵王にある短大に通ってるものです。
卒論の調べものにおわれていて気付いたら七時を回っていました。
頭もつかい、お腹がすいたので仲のイイ友達三人を連れて食事にいくことにしました。
私が運転したのですが、外は雪道でアイスバーンになりつつあり、恐いねって言いながら慎重に運転していました。西バイというバイパスに出るために長い信号まちをしていました。
前の車は黒のbBでした。冬なので車間距離を少し長めに保っていました。
信号待ちの間、みんなでくだらないことをしゃべっていたんですが、私の車にドンと鈍い衝撃を感じ、びっくりして周りを確認すると、ヨーロッパの中世の貴族のような女の人が車の前のほうの開く部分に片手をつき、
私達から見て左の空中を眺めていました。
そんな格好でいることも気になりましたが、危ないとこに立っているし何より片手をつけられてることに憤慨し、窓をあけ注意してやろうと思いました。
しかし、その女の人はそのまま二、三度ドンドンと叩き唖然としていたら、後ろからクラクションをならされました。信号が変わっておりハッとしたときにはもう女の人は辺りから消えていました。私だけでなく車にのっていた友達全員が目撃しています。

そのあとは皆無言でしたが助手席にのっていた一人の友達が『今の人睫毛なかったよね…』といっていたのが印象的です。
特に何かされたわけではないけれど、皆で目撃した分恐かったです。あの数十秒間は私達の周りだけ、空気がとまっているような感じでした。


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