[初恋]
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目が覚めた時には、目が覚めた。と叫ぶ姉の声が聞こえてきた。
どうやら、あの後階段からすべり落ち、失禁しつつ白目を向いて気絶していた
らしい。
打ち所が悪くてこうなったのだと思い、急いで病院に向かうところだ
ったらしい。(けが人を動かさずに救急車という考えはなかったようですこの
両親は)
そのときの話をしても、怖いテレビの見すぎだとか皆行っていたけれど、目は
みんな恐怖していたのを見逃してなかった。

失禁にしても、階段から落ちてか
らではなく、階段の…天窓のあたりから失禁しており、明らかに天井部屋を覗
いた時のものであることが分かっていた。
誰一人天井部屋を覗いた事を咎める事もなく、ただただ忘れろ。といわれるだ
けで、誰にも話してはいけない出来事として封印し、つい2・3年前まで記憶
から消えてしまいそうでした。

父が亡くなり、その後祖父の葬儀にて写真の整理をしていると、借家に引っ越
した日の記念写真が出てきた。それで、ふと幼い頃の思い出がよみがえってくる。


幼い頃から封印していた記憶なため、あれは夢だったのかもしれないと思ったけれど、その話をすると姉はやっぱりおぼえてたか。と言う。

家族の間でも、誰にも話しちゃいけない話としてみんなが覚えていたようで、
父と祖父が本気でお払いを考えていた事などを面白半分にに話していた。

あの家は過去に子供が天井部屋で死に、奥さんがその同じ部屋で首をつって死
んだという曰く付きの家で、1階こそはなにもないが、天井部屋は必ずなにか
しら起こるといわれる場所だったそうだ。家を建てたばかりということで、で
きるだけ出費を抑えたかった両親は、何度か一階で泊まったりし、二階以外は
まったくなにもないことを確認し、それを承知で借りたそうだ。

めぐみという彼女のことも気になり、借家の時に世話になった不動産屋に行く
と暇だったのか当時の記事をひっぱり出してくれた。(聞かれたら答えなきゃ
いけないため、そういう記事はスクラップしているそうです)
それは、引っ越す7年ほど前の記事で、4歳になる子がなにかいたずらをした

のか父親に殴られそのまま天井部屋に閉じ込められたが、翌朝そろそろいい
だろうと様子を見た父親が死んでいるその子を見つけたというもの。
そして、さらにその1年後の記事。その後竜新はその家は引き払っているのだ
が、その約一年後には、その母親がその天井裏で首をつって死んでいるのが見
つかったという記事。当時だれも借家にはおらず、発見が遅れ、見つかった時には腐乱がひどかったそうです。


最重要視とはいえ容姿だけで惚れるということはなくこれ以後一度も一目ぼれ
を経験した事が無く、一目ぼれしたその子はそんなにかわいかったのかと思う
と残念でなりません。
初恋は実らないって言うけど、こらねぇべ


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