[まかない後のお楽しみ]

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説明によるとUは店で一番古株の為、最後まで残り鍵を閉め、
守衛さんにカード(デパートの中なので店ごとにIDカードのような物がある)を返してから帰ると。
そしてそれを一人でやるのが嫌でみんなを引き止めていると言う事でした。
「???」
ますます不思議そうな顔をする俺にUは言いました。
「でな、なんで一人が嫌なのかって事だよ」
いつになく重い雰囲気で語るUに少し滑稽ささえ感じます。
「要するにさ、、、出るんだよ」
「は?」
「いやだから。幽霊」
俺は完全に担がれたと思い吹き出してしまいました。「お前、さんざん引っ張って落ちそれかよwww」
馬鹿らしくなったので帰ろうとしたのですが周りで話を聞いていた女の子二人ともう一人の男スタッフに止められてしまいました。
「いや、もう時間的に危ないから」
周りの余りの慌てっぷりに俺も不安になります。

その慌てぶりからとにかく何かあるのだと言うのは理解できました。
とは言うものの朝まで店にいる訳にもいかないので俺たちは帰宅する事にしました。
時間はそろそろ午前1時になろうかと言う頃でした。
もちろんデパートの閉店時間はとっくに過ぎているので外に出るには長く薄暗い従業員用の通路を通り階段を5階ほど降りなければなりません。
一言で『長い』と言っても、通路自体が店の裏側をグルッと回っているので、その長さはかなりの物で外に出るまでに大体10分程は歩かなければなりません。
どうも【出る】と言うのはその通路の何処かだと言う事らしいです。
しかし噂も聞いたことが無いしもちろん見たこともない半信半疑の俺はくっついて歩こうとする女の子に多少興奮したりと冷静ではありました。
あの瞬間までは…

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