[生き返ったじいちゃん]

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んで次の日(正確には同日なんだが)の朝。
ドアを見てみるとやっぱり散々引っかいた跡が残ってる。
・・・というか爪が一枚、剥がれて刺さっていた。
ぞっとしつつ改めて昨日のは夢じゃなかったんだと思ってたら、
「おーい!T(俺)!ちょっときぃ!」と外からお呼びが。
なんだろうと行ってみると、家族全員が庭に集まって大騒ぎしてる最中だった。
その輪の中心にはじいちゃんの遺体が・・・
話によると、兄貴が朝体をほぐそうと外に出たときにはもうこの状態だったらしい。
家族はみんな不思議がった。(まあ死体が生き返るのも十分不思議だが)
なにせ、じいちゃんが死ぬ間際は、満足に体も起こせない状態だったから・・・
どうやってここまで?ってことで。
俺と妹は当然知ってたわけだけど・・・まあ話しても案の定信じてもらえなかったわな。
で、そのあとじいちゃんの遺体は一応医者に見せて、改めて通夜をやったんだけど
そのときの医者の言葉がどうも引っかかるんだわ。
「死んでから何日目ですか?」って・・・なんでも、死んで一日ではありえないほど
腐敗が進行してたらしい。
これはどういうことなんだろう?
ほんとはじいちゃんは何日か前に死んでいた?
それともあれが入ったからそうなったのか・・・
一つ俺が思い出したのは、グールってやつ。
死人の体に入り込んで蘇らせ、人肉を食らうっていう。
まあ今となっては何が真相なのかなんてわからんけど・・・
あ、ちなみにお通夜の最中にじいちゃんが生き返ることはもうありませんでした。


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