[カエセ・・]

※私のとこに友人Tが相談に来た。これは、Tの話した内容。今は、疲れて隣で寝てる。
昨日、友人の部屋での出来事。4人で、夕食会をするためにJの部屋に集まった。
丁度冬だし鍋がいいねってんで、皆でおでん鍋を囲んで酒飲んで、楽しんでた。
鍋はゆっくり進んでな、酒も回って。いつもならこの辺で乱交が始まるんだよ。
じらされるの嫌いだし、俺が「そろそろ、な?」と言ったら、何故かJが拒否したんだよ。
感じやすくてエッチ大好きのJが拒否するなんて、納得できなかったよ。

煮え切らないまま帰るのは、俺、嫌だったからさ。黙ってJを抱こうとしたんだけど、
他の友人(K(一応Jの彼)とS(一応俺の女))に止められて、シラケちまった。
楽しい時間をぶち壊されて、俺、頭にきてさ。Jに「何が悪いんだよ」って聞いたよ。
気まずい沈黙が流れた。そのうち、Jが何か言いたそうに俺らを見回したよ。
あいつ最近、確かに様子がおかしかったよ。Kも、本気で俺を制止しやがるし。
うっとうしいけど、我慢してJの話を聞くことにした。

そもそも出会った時から変な所があったよ。Jは。エッチ中、急に「なんか怖いから、そ
んな気分になれない」とか言うことがあった。まぁ、強引にやってたけどな。
鍋はほっといて、俺らはJの話を聞いた。「最近、誰かに狙われてる。」Jが言いやがった。

「実は、1ヶ月くらい前からおかしな電話が来てたのね・・。」Jが語りだした。
「ん?そんなん理由になんねーよ、バカ。どんな電話だよ!」イライラして怒鳴る俺(T)。
「せっつくなよ。ちゃんと聞け!!」何故か、Kがキレかけて言った。
「いつも無言で。間違い電話か訊くと「・・ヴぁヴァヴァ」って意味不明の声が聞こえて、
 最後に、「カエセ・・」って感じの声がする。怖いよ・・・。」Jは涙ぐみやがった。
みんな急に深刻な顔しやがってよ。できりゃいんだよ、俺は。シラケさせんな。

「知ってたよ。俺。」Kが言った。知ってたなら先に言っとけや、このアホが。Kの話では、
一週間程前にJの部屋でおかしなことがあったらしい。風呂から出たJが立ったまま動か
ねーんで、「どした?」って聞いたら、Jが震える指でベランダを差して、「誰かの手が見
える・・・。」って。電話の件で気が参ってたJは、尋常じゃなく怯えてたらしい。

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