[五人連れて行かなければ・・]
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野崎、もう一回いこうよ、五人連れて行かなきゃいけないんだよ。野崎・・・
食堂はパニックです。その時の清水の顔色は冗談抜きで、青くなったり赤く
なったりと、明らかに普通でないのが分かったそうです。
ふざけんな!誰がいくか!普段つっぱっている三人は虚勢で清水を威嚇します。
うるせい!殴るぞ!しかし明らかにおかしい清水には通用しません。尚も
行こうよ。五人連れ行かなければならないんだよ。
とうとう三人は逃げ出しました。
他のクラスの部屋の押入れに隠れても、沢山あるトイレに隠れていても
清水にはすぐ見つかってしまったようです。そして
もう一度いこうよ、行かないといけないんだよ。
そんなこんなで就寝時間(確か10:00だったかな)
普通1クラス60名で15人一部屋です。16部屋ありA組だけ60名一部屋でした。
野崎達は逃げ延びたのかどうしたかは詳しく知りません。
しかし、その夜、清水は失踪しました。
ここはよく覚えています。深夜2:00頃、担任が点呼するぞ!と言い
電気点けて、皆を起こし始めたのです。普通そんな事は絶対しません。
なにも知らない私は、先生、誰か居なくなったんすか?
と、質問したんですが、何でもない、ただの点呼だ。の一点張り。
先生達は徹夜で探したそうですが、清水はついぞ見つからなかった様です。
朝、清水は自分の部屋で見つかります。普通に寝ていた模様。
同部屋の人間は誰一人、いつ戻ってきたか知らないそうです。
先生達に呼ばれ、キツク詰問されたみたいですが、清水本人は
貯水池以降の記憶が全く無い状態でした。
後半組のバスが来て、入れ替わりで帰京。
五人連れて行かなければならない・・・どういう意味があるのか?
東京に着いた日、清水の親戚4人が突発的な事故、原因不明の病気、等で
入院したそうです。
五人目が清水のお父さん。数日後、乗っていた飛行機が墜落。
帰らぬ人となりました。
かなり大きなお寺の息子だった清水。
葬式の当日、ずっと俯いて遺影を持っていたそうです。
何人かの霊感が強い友人から聞いた話ですが、挨拶の最後に清水が顔を
あげた時、全然違うおばあさんの顔でニヤっと笑ったそうです。
長文失礼致しました。