[速攻で祟られる]前ページ

どれくらい時間がたったのか、両足が痛い。攣っているようだ。
寝ていて足が攣ることはよくあったが、両足というのは初めてだった。
さっきの運転手の話が頭をよぎったが、体は動く。両足のつま先を掴んで
ふくらはぎを伸ばしたりモゾモゾ痛みと格闘していると

ジャリ、、ジャリ、、ジャリ、、、ジャリ、、ジャリ、、、、、

と外の砂利を誰かが歩いているような音が聞こえて来た。
(誰か外で小便か?)
一番出口側で寝ていた漏れは左側を見ると4人全員居るようだった。
(おかしい、、)
その間にも外ではジャリジャリと歩く音が聞こえる。
B「おい」
隣で寝ていたBが俺に気づいて声をかけてきた。
「聞こえるよな。お前。」
はい聞こえますと答えるのと同時に足音がコツコツという音に変わった。
(近づいてきてる、、)
とっさに漏れとBは同じことを考えたと思う。しばらくコツコツと音が
聞こえていたが、やがてそれはカンカンという怪談を上る音に変わった。
このときAとCは爆睡していた。

が寝てたのは研修棟の二階です。)
カン、、、カン、、、カン、、、、カン、、、
一段一段誰かが怪談を上ってくる。一人だったらパニックになったろうが
Bと二人だったのでとりあえず先輩はナタを、漏れはマグライトを
手に持ってその場で待ち構えた。
やがて上る音も止み、どうやら出入り口の前まで何かは来たらしい。
特に引き戸を開ける様子などはなく、スリガラスの向こうにも誰か
居る気配は無いのだが、そこに何かが居ることを確信した。
(・・・・)
B「・・・・行くぞ」
匍匐前進みたいなカッコでナタを手にドアに向かうBの後ろから
マグライトを持ってへっぴり腰になりながら漏れはついていった。
Bは引き戸のとってを掴み、ガラ!とあけた瞬間に漏れはマグライトで外を照らした。

何も居なかった。
居なかったが、何かぬるりとしたもの?風?が
漏れの顔というか体を通り過ぎる感覚がした。非常に気分の悪いもの
だった記憶がある。
“それ”が通り過ぎたのは感覚的にBも漏れもわかったようで、とっさに振り返ると
さっきまで爆睡していたはずのAが起きている。首が変な方に曲がったまま
女の子座り?みたいな座り方でペタンと布団の上に座ってた。Cは相変わらず爆睡。
B「え、、Aさん?だいj、、、」
声をかけた瞬間だった。

「うわぁぁっぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁg化jガッくぁvじぇえrてsd!!!」
声にならない叫びを上げて、ものすごい勢いでAは入り口の漏れらから
離れて研修棟の奥へ奥へと逃げていった。
A「来るな!来るなよぉ!くるなぁぁkfjぁけrjか!!!」
Aの声で起きたCと三人であっけにとられてAを見ていたが、Aは一番奥の
窓のカギを猛烈な勢いで開け、窓を全開にするとフチに足をのせた。
Bと漏れ「ヤバイ!!!!」
声を発すると同時にAは飛んだ。それほど高くは無いのだが、落ちたイヤな音が今も
耳から離れない。ぐちゃともぼきゃともぐきゃともいえないイヤな音だった。

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