[まとめ中]
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計画は、こうでした。
二人で布団のシーツを剥がしてかぶり、柵を越えて窓をドンドンと叩く・・・ただそれだけの何のひねりもない単純ないたずらでした。
 私とRちゃんも、多少眠くなってましたが、二人でたわいもない会話をしながらロビーでジュースを買い、2Fの中央階段の手摺にもたれながらジュースを飲んでいました。
すると、
  バタンッ!!
突然私たちの部屋の方から、勢いよく扉を開ける音が聞こえました。
 バタタタタタタ・・・・
すごい勢いでY君が、私達の前を駆け抜けていきます。
これにはさすがに私たちもびっくりして、二人でY君の後を追いかけました。

 「Yく〜ん!おーい!」
 「Y君まってよって!!」
二人で声をかけますが、Y君は止まりません。
私とR君は顔を見合わせ、
 「兄貴やりすぎ・・・」とか、
 「Y君大丈夫かな?」とか、言いながら後を追いかけます・・・そして・・・。
Y君は、そのままトイレに駆け込んだんです。
私とRちゃんは・・・。
 「ぷっ・・・あはは・・・・あははははは」
お互い緊張の糸が切れ、大爆笑しながら階段の手摺のところに戻りました。
ジュースを飲み直しながら、Y君が戻ってくるのを待ってたんです。
 数分後・・・Y君が戻ってきました。
でも、様子がおかしかったんです。
手をまるで鳥のように広げ、空を飛んでるかのように両手をふわりふわりと羽ばたかせながら、千鳥足で私たちの前を通り過ぎて、部屋のほうに戻っていこうとしてたんです。
私たちの前を通り過ぎる時、Y君は目を閉じていました。
 私とRちゃんは、あっけに取られました。
よく理解出来なくてしばらく沈黙が続きます。
そして、Rちゃんが一言、
 「あれって夢遊病かな?」
私に聞いてきます。
私は、答えられませんでした。
Rちゃんが追いかけようとしましたが、私は肩をつかんで止めました。
 「ほっとこ・・・」私は、なるべく冷静を保ってそう答えました。
でも、手はすごく震えていたと思います。
Rちゃんは怪訝そうにこっちを見ましたが、Y君が部屋に戻るまで待ってから、私たちも部屋に戻ったんです。
 部屋に戻ると、兄とHちゃんが、不機嫌そうに私たちの帰りを待ってました。Sちゃんはすでに熟睡してます。
理由は、脅かしに行ったら、Y君がいなかったからだそうです。
Rちゃんは、私たちが見た状況を話しました。

 多分、脅かす前にY君はトイレに駆け込んですれ違いだったのだろうということ、例の夢遊病の行動。
この話を聞いた兄達は大爆笑。
そして、兄、Rちゃん、H君の三人でY君の様子を見に行ったんですが、案の定、寝ていて更に大爆笑していました。
Rちゃんも、さっきの私の態度を忘れて一緒になって笑っていました。
私は、とても笑えません。
出来るだけ平静を保とうとしましたが、耐え切れなくなった私は、
 「僕、もう寝るよと」言って、なるべく悟られないように布団をかぶって震えていました。

うやらRちゃんには見えてなかったようです。
夢遊病の様に戻ってきたY君・・・その右の胸元に、まるでY君の体から生えてきてるかのように・・・。
おかっぱ頭の子供の顔が半分突き出して無邪気に笑っていたのを・・・。
 そして、これがこの先の話につながる最初の体験だったんです。

文才が無い為、長い上に読みづらい文章で大変申し訳ありません。
もう少し話をまとめたかったのですが、少々体調不良になってしまいました。
 ここまでの話なら、特にみなさんには何も問題ないと思いますので、とりあえずここで一旦区切りとさせて頂きます。
続きは、またの機会に書きたいと思います。


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