[森の中の2階建てバス]前ページ

急に、バスの二階、自分たちの真上から大きな音が聞こえます。
私とUは顔を見合わせました。お互い真っ青でびっしょり汗をかいています。
Uはなにやら口をパクパクとしていますが声にならない音が漏れています。

カリ・・・カリ・・・ガリッ・・・ズ・・ズズズ・・・

また二階から音が聞こえます。何かが這うような音と、爪で何かを引掻くような音がします。
パクパクしていたUの口から言葉が発せられました。
「行けよ!入り口!走れって早く!」
私は弾かれたようにバスの入り口に向かって走り出します。

ガリガリガリガリガリガリ!!ザザカザザザザ!

それを合図にするかのように、二階の音が急に大きくなり恐ろしい勢いで1回へ通じる階段へ向かっていきます。
Uが私の後に続いているのが分かりましたが後ろを振り返る余裕はありませんでした。
音の者に、先にバスの出口に行かれたら終わりだという、得体の知れない恐怖だけがあったと思います。
走っている最中、埃が舞って最初は気が付かなかったものも良く見えた。至る所に、引掻いたような傷がありました。
紙一重で私たち二人はバスの外へ飛び出します。まだ後ろからは何かを引掻く音が聞こえます。
私たちはそのまま森を走り抜けて学校へ逃げ帰りました。
学校につくと、教師に酷く怒られましたが何を言われたのかは良く覚えていません。
本当の問題はその後でした。
次の日から、Uが真っ青な顔をして学校へくるようになります。
わけを尋ねても、自分の頭をガリガリと爪で引掻きうつろな目をしています。
そのような状態が暫く続いていました。
私は心配になってUの家を訪ねましたが、彼の母親によるとUはあの日の晩でかけるといって家を出たきり、戻って無いとの事でした。
Uの母親も、今までも何度かそのようなことがあったのであまり気にしていないようでした。
そのうちUは学校にも来なくなります。
Uからメールが届きます「どこに行っても無理だった」「扉は閉めておけ」「目はいい」

音が扉の前に来ました。
Uは酷い有様でした。
わたsssssssっせあghtjy


次の話

Part102menu
top