[殺人異常者]

殺人異常者に狙われている母子の話です。

この母子は命からがら助かってきてはいるのですが、周りの身近な人が
代わりに凄惨な殺され方をしています。
身を隠すために新たなマンションで暮らし始めました。不安な毎日ですが、
管理人のおじさんが親切で、よく面倒をみてくれました。
ある日、留守番電話がはいっていました。
管理人室からです。
再生をしてみると、無言です。
でもよく耳をすましてみると、「すー、すー、すー、すー、・・・・・」
と、いびきが聞こえます。
「すー、すー、すー、すー、・・・・・」。
管理人さんのいびきです。何かの間違いで留守番電話に入ったのでしょう。
母子は顔を見合わせて笑いました。母は止めようと手を伸ばしました。
「すー、すー、すー、すー、す」。ボタンを押す前に、いびきが止まり
ました。そして、次の瞬間、
「ウォオオオオーオオォオオオオオオォオオオーオォォォー!!!!」
管理人さんの断末魔の叫び声です。どれだけ怖ろしい事が起きたのか
悟るには十分でした。

数日後、母子は不動産屋と話し合いの席にいました。母の顔はボコボコに
崩れています。管理人のおじさんが殺されたのはこの母子のせいだと、
遺族の方にされたのです。

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