[怖いのは幽霊?それとも・・]

 私の今までの中で、唯一不可思議に恐ろしかった話です。

小学校中高学年時代私は、かなりの臆病者でした。
というのも、そもそも家の都合で父方の実家へ戻り
かなりのど田舎に引っ越した事が原因で、
学校は古めかしい木造二階建て、
教室は無駄に広いわりに生徒数は然程多くないという状況、
今となっては笑い話ですが、
実家の旧家屋すら私には広くて怖い場所でした。
元々居たところがわりと都会的だったというか、
山に囲まれた環境への生活の変化だけでも子供心に怖かったですし、
同年の子が多くないため限られた遊び相手の一人が、
とてもホラー好きで、私を怖がらせて愉しむような子で、
毎日のように怖い話やらをしてきていたのも原因です。
そんな、小学校4年生の頃の夏の話です。

夏休み目前にした其の日、私は家に帰るなり、
夏の宿題である観察日記のための日記帳を
学校に置き忘れてしまった事に気付きました。
しかし、前述したように学校へ一人で行く事が怖かったため、
二つ上で当時6年生だった姉に応援を頼み、
取りに行く事にしました。
今思えば、職員室に行くなりして先生を頼ってもよかったのですが、
当時怖がりで引っ込み思案になってしまっていた私にとって、
自分の事をよくわかって守ってくれているような存在の姉しか
助けてはくれないという思い込みがあり、
それに加えて感情をあまり表出さないマイペースな姉が大好きでした。

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