[地下の世界]

僕が小学4年生の時、夏休みも残すところあと1週間と少しといった時の話です

その日は台風が近づいていたため、朝から風が結構強かったです。
僕は9時半ごろに起きて、蒸し暑い中 朝ごはん代わりの雑炊(カニ味)をすすりながら
夏休みアニメ劇場を見ていました。

何度も再放送されているあさりちゃんやかぼちゃワイン、パーマン、ハットリ君などを
ぼんやり見ていましたが、やがてアニメも終わりすることがなくなった僕は、
しばらくの間畳の上でごろごろ転がっていたのですが、ふとあることが気になり始めました。

(そういえば家の近くの山を登ってしばらく行ったところにある空き地って、
いつも強い風が吹いてるなあ。台風の日なんかもっと強い風が吹いてるんかなあ?
どうしよっかなあ。行ってみよっかなあ。)

という考えが頭の中に広がって、気になってしょうがなくなってきたので、
僕は家で飼っていた「プチ」という犬を散歩させるついでに見に行いくことにしました。
空き地と言う表現は間違ってるような気がしないでもないですが、
まあとにかくひらけたとこです。

僕が外出の準備をしていると、母が「台風来てるのにどこ行くん?」と
聞いてきたので、僕は「ちょっとプチの散歩に行ってくるわ」と答えると
母は「もうすぐ昼ごはんやし、雨降るかもしれんから早めに帰ってきいや」と言いました。

外に出ると生ぬるいながらも結構涼しい風が吹いていたので、家の中よりも快適に思いました。
空一面にはどんよりした重苦しい雨雲らしきものが、結構なスピードで流れていました。

僕が犬小屋のプチに「散歩行くぞ」と声をかけると、「ワグ」っと小さく吠えて、
のそのそと出てきました。

ちなみにプチは当時2才半ぐらいだったので立派な成犬(雑種)でした。
父が飼い始めた犬で一応僕にもなついていましたが、
僕より賢そうなとこが気に食わなかったので、
僕にとっては愛犬というほどのものではなかったです。

僕の家は山の斜面を切り崩して作ったような所に建っていて、
玄関を出ると坂道になってます。
その坂道に沿うようによその家が連なっています。

坂道を登って行くとやがて民家はなくなり、木がいっぱい生えていて
森っぽくなってくるので、一応そこら辺からを山と呼んでました。

話を戻します。
プチのヒモを掴んで外に出た僕は大きく背伸びをして、ついでに大きくアクビもしました。

その途中に隣の家から「●●君どうしたん?プチの散歩ー?」と
大きな声で僕を呼ぶ声がしました。
見ると、幼馴染で1つ年下のK子が2階の窓から顔を出していました。

ちょっとびっくりした僕は「う・・ん、ちょっと散歩でそこまで」と言うと、
K子は「あたしも行くからちょっと待っててー」と言って、
顔を引っ込めると階段をドタドタ降りる音がして、何か喋る声が聞こえ、
出てくるのかと思えばまた階段のドタドタが聞こえ、
3,4階階段を上がったり下がったりの音がしてやっとK子が外に出てきました。
その間5分ほどです。

僕が「遅いやないけー」と言うと
K子は「まあまあ、気にせんと・・・」と言いながら、
すり寄ってくるプチのペロペロ攻撃を
器用にかわしていました。

K子は右手に手さげカバンらしきものを持っていたので、
僕が「何それ?」と聞くと、
K子は「いいからいいから、はよ行こう」と言ったので、

僕は別に気にすることもなく目的地目指して歩き始めました。

続く