[ランニング]
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少々ビビりすぎた自分が恥ずかしくなり、ホッとしてまた走り出しました。
ふと、右側の家にある、大きなガラス張りの窓を見てしまいました。
遊歩道に面していることもあり、厚手のカーテンか引いてありました。
・・・当然、自分がその窓に映ります。もちろん映ってました。
最初は気づかなかったんです。赤いTシャツで首にタオルは、いつも走っている時の
服装でしたので。

でも何処かで違和感を感じたんだと思います。
横目に大きなガラス張りの窓を見ながら、再度走り出しました。
私はガラス窓に映った、走る自分を見て腰を抜かしそうになりました。

違和感は、タオルでした。タオルだと思っていたのは、
ザンバラ髪の女の上半身でした。私にしがみついていたのです。
首に巻いていたと思ったのはその女の白い腕でした。

走りながらだし、窓に映った姿なんて見間違えだろ?と思うかもしれませんが、
私にはそれが女の上半身としか思えませんでした。この日はタオルを忘れてたんです。

そして何より、走るリズムに合わせてザンバラ髪を振りながら、頭部がガクンガクン揺れてたんですから。
・・・いつの間にか追いつかれてたみたいですね。

その後は、膝も腰も立たなくなりながらも、逃げるように帰りました。
結局一睡も出来ず、試合もボロ負けでした・・・

後にも先にも、自分の体験したのはこれだけです。
今でも憑いてるかもしれませんが、、、

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