[吊橋の二人]
前ページ

「今日は帰ろう。」

納得できない様な友達に真剣な目で訴え

「今日は、都合が悪いから帰るよ」

と女の子達に言い、急いで灯台の方向へ向かいます。
後ろを向くのは怖いので早歩きで吊り橋を渡り、渡り終えた後、後ろを振り返りました

すると、断崖絶壁の縁に設置してある欄干の上に乗って踊っている女の子達の姿が見え
ました。

「おい、見ろよ。あんなとこに居るよ。落ちたら死ぬぞ」

と言っているうちに2人は、海に落っこちてしまいました。
驚いた私たちは、もう一度吊り橋を渡ろうとした時、吊り橋の中間にその2人に女の子
が含み笑いをして立っていました。

「わぁぁ」

急に怖さが増し友達と2人で転げるように駐車場まで逃げました。
駐車場に着くとさっきまであんなにたくさんいた車は無く友達の車がポツンと1台有る
だけでした。
急いで車に飛び乗り発信しました。

ホッと一息つき、後ろが気になったので振り返るとあんなにダシュシして走ってきたの
に灯台に行く道の所にあの子達が立っていました。

あの子達は何者だったのでしょう。この世の人では無かったのでしょうか。
確かに海に落ちたのを見ました。
あの暗い中で吊り橋の中央にたった子達の含み笑いの顔がよく見えたのも印象的です。

その後、軟派場所として夜の灯台や吊り橋には近寄っていません。夏の夜の不思議な体
験でした。

次の話

Part10-2menu
top