[きまり]

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老婆らが帰った後、写真を撮ったグル−プの一人が
自分達が来る前から、あの子達は廃虚のどこかに
隠れていたことに気づいた。
隠れる場所といえば、穴のあいた床下か、仏壇の横にある
押し入れ、または問題の部屋のベット下。。。。
ともかく、そのことの不気味さと恐怖感を抑えて
私たちは6人が部屋の中に入り、5人が外で
万が一のことを考え各車のエンジンをかけたまま
待つことになった。
私は中に入ることになった。
階段は一列にならばないと上れない構造で
私は前から3番目で、上りながら
”こういう場合は、もし霊が出るなら、
じわじわりと前触れがあるんだろうな”
と勝ってに想像していたが、
前の二人(男と女)が部屋に入った瞬間
男の悲鳴とともに
その想像が一瞬に崩れた。。。
私たちは何事かと思い部屋に駆け込んだ。
そしたら、女が虚ろな目で仰向けに倒れており、
くねくねしながら何か呟いていた。
はじめは小声だったが、
いきなり甲高い声で笑い、
「きまりだよ、あはは、きまりだから、
きりはずしても駄目なの、また行くよ」
と叫びはじめた。
私たちは焦り、女を担ぎ、一目散に部屋から
逃げて車に飛び乗った。

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